瀕死の「東芝」を救うのは「がん治療」装置!?

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 東芝の歴代3社長は、不正会計という“パンドラの箱”を開けてしまった。結果、社員の間に蔓延しているのは、経営者に対する不信感、地に堕ちたブランド力への絶望、そして将来の不安だ。そんな彼らにも、僅かながらに“希望”が残されているのだという。

地に堕ちたブランド力への絶望

 東芝の室町正志社長(65)は2月4日、2016年3月期決算で最終赤字が7100億円に上ると発表した。昨年12月には過去最悪の5500億円の赤字と予想していたが、それがさらに膨らむことになる。家電担当のアナリストの分析では、

「今後、東芝で黒字が期待できるのは原子力と半導体事業くらいですが、見通しは暗い。原発の本格再稼働には時間がかかるし、半導体の“稼ぎ頭”でスマートフォンなどに内蔵されるNANDフラッシュメモリーは、メーカーの生産量に左右されるので安定的に儲けられるか不透明です」

 が、光明が1つ。それが“がん治療装置”なのだという。東芝社員が誇らしげに語る。

「昨年、放射線医学総合研究所と共同開発したのは、重粒子線がん治療装置。この装置を使えば通院での治療が可能で、治療中は痛みもなく、副作用もほとんどありません。他社も似た装置を開発しているが、ウチの場合は360度どこからでも重粒子線で狙い撃ちできるので、がん細胞の根絶が期待できる。すでに、山形大学への納入も決定しました」

 ただし、

「国内のみならず、世界の医学界からも注目されている装置ですが、初期費用だけでも最低100億円前後かかる。注文殺到で“V字回復”の原動力に成長するには、相当時間がかかるでしょう」

 それでも、社員には、残された“希望”なのである。

週刊新潮 2016年2月18日号掲載