アベノミクスに噛みついた「世耕官房副長官の女房」

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 女房役の女房が噛みついたのは、一国の総理だった。

 1月28日の参院本会議で、民主党の代表質問に立ったのは林久美子議員(43)。当選2回での登板とあって、えらく気合が入っていたのである。

「びわ湖放送のキャスターから政界へ転身しただけに、演説に10分以上を要する代表質問でも淀みなく喋れる。テレビ中継が入ることも考慮して、今回抜擢されたのです」(民主党関係者)

 党の期待に応えるべく、林議員は質問冒頭で辞任会見を行う直前だった甘利明経済再生担当相を追及。次いで矛先は安倍総理へと向かい、アベノミクスについて“生活の苦しさは増しています”と舌鋒鋭く批判してみせた。時に“総理!”と語気を強めて、ひな壇に座る安倍総理へと顔を向ける演出も忘れない。視線の先には、総理以下、主要閣僚も居並ぶが、そこには夫である世耕弘成官房副長官(53)の姿もあったのだ。

「世耕氏は、総理補佐官、自民党参院政審会長、そして官房副長官と、NTT広報部時代に培った発信力を活かして要職を歴任してきました。2013年に与野党の壁を越えて林議員とバツイチ同士の電撃再婚を果たした際は、“夜の大連立”と永田町で話題になった。総理側近だけに、官邸の情報が野党に漏れるのではと揶揄する声は未だにあります」(政治部記者)

 そんな事情を抱えた上で、夫の仕える主を糾弾する林議員には、背に腹は代えられない事情があった。

「彼女は今夏の参院選で改選を迎えます。6年前は定数1の滋賀県選挙区で自民の対抗馬に約10万票差をつけて当選しましたが、今回は与党の他におおさか維新も公認候補を立てる。野党票が割れるのは必至で、党県連代表を務める彼女といえど安泰ではない。国会で代表質問をしたとなれば選挙ビラにも実績として書き込めるし、世間に顔を売るチャンスなのです」(同)

 が、安倍総理には“民主党から無責任と批判されるいわれは全くない”と一蹴され、本会議は滞りなく終わった。“夜の大連立”に亀裂が生じるくらいの質問が見たかったのに――。

週刊新潮 2016年2月11日号掲載

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