宮内庁記者たちが胸騒ぎを覚えて……老いを告白された「天皇陛下」絶句15秒間の異変

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陛下のご負担軽減策

 そうだったとしても無理はない。82歳のご高齢に加え、これまでに前立腺がんの摘出と、心臓の冠動脈のバイパス手術という2度の大きな手術を受けられていることを考え合わせると、お誕生日会見を目の当たりにした記者ならずとも、陛下のご体調を案じるのは当然と言うべきであろう。なにしろ、

「ひとつ年下の皇后陛下も、年々、耳が遠くなられ、遅くまで起きているのがお辛くなっていると聞きます。天皇陛下は、ご自身だけでなく美智子さまのお身体も心配なさっており、ご懸念は尽きません」(天皇ご一家に近い関係者)

 そして何よりも、先に触れた通り、慰霊をはじめとする数多(あまた)の「行事」が陛下のお身体に負担を与えていることは間違いあるまい。

 皇室ジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡辺みどり氏は、

「皇太子ご夫妻が、天皇皇后両陛下のお仕事をもう少し代わりに担うことができれば、両陛下の負担軽減につながるでしょう」

 と指摘しつつも、こう懐疑的な見解を示す。

「しかし、雅子さまのご病気の関係で、それには非常に難しいところがあります。15年8月、東宮ご一家は日比谷図書文化館で開かれた戦争関連の展示会に足を運ばれていますが、夏休みにご家族でお勉強──といった域を出ないように感じられました。両陛下のように、鎮魂のご姿勢をもう幾分かでも前面に出していただきたいところです」

 また、単に天皇陛下と皇太子殿下の「親子」の問題に留まらず、

「公務を引き継ぎ、儀式を継承することは、東宮ご一家のお付きの者にとっても、大事な意味合いを持ちます。例えば美智子さまは、十二単(ひとえ)に着替えられ、祈りを捧げるなどの神事をたびたび行っていらっしゃいますが、雅子さまが皇后陛下から徐々にでもこうしたものを学び、引き継いでいかなければ、東宮ご一家の周りの人たちにも、皇室の大事なしきたりが伝わっていかないということになりかねません」(同)

 要は、脈々と続いてきた皇室の伝統まで、断絶の危機に陥りかねないというのである。

 こうした現状では、逆にまだまだ皇太子ご夫妻に重要な行事を任せるのは心許(こころもと)ないと、陛下が思われている面もあるのだろうか。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司氏曰く、

「天皇陛下は『行動あってこその象徴』とのお考えを持っておられます。『休むのは悪いこと』とお考えになっているのでしょう。陛下にはお仕事を譲るなどしてその数を減らし、楽になろうというおつもりがないのだと思います」

 慰霊の旅をはじめとする、天皇陛下の自らの「使命」に対する並々ならぬお気持ち。一方、天皇とはいえ加齢と無縁でいることはできない。2016年を迎え、戦後70年の節目の年が過ぎ去っても、陛下のご年齢との「戦い」は終わることがない──。

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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