舌禍の王「ドナルド・トランプ」タワーに集う日本人セレブたち

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 いま、グーグルの画像検索で“TRUMP”と打ち込んでも、お目当てのトランプカードを見つけることは難しい。そこに並ぶのはメキシコ移民を“強姦魔”、シリア難民を“凶暴な犬”と罵るドナルド・トランプ氏(69)の赤ら顔ばかりだ。一方、米大統領選を混乱に陥れた“舌禍の王”は、世界を代表する不動産王でもある。その権勢を象徴する“タワー”には数多の日本人セレブも集っていた。

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マンハッタンにそびえる高さ262メートルの「トランプワールドタワー」

 ニューヨークの中心部・マンハッタンにそびえる高さ262メートルの「トランプワールドタワー」は、標準タイプの部屋でも購入価格は6億円を下らないという超高級マンションだ。住人の顔ぶれは、ハリウッドスターのハリソン・フォードに、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、グラミー歌手のビヨンセなどなど。

 仮に、年末ジャンボ宝くじに当たって部屋を購入しても、引越しの挨拶をする前にボディチェックを求められるのは間違いない。

 ホテル業界に詳しいノンフィクション作家の桐山秀樹氏によれば、

「トランプタワーに住居を構えるのは、アメリカンドリームの体現者であることの証明です。成金と言うこともできますが、アメリカでは成功して金持ちになることは称賛の対象なので、住人はトランプタワーのオーナーであることを堂々とアピールする。サービスもプラザホテルのような老舗高級ホテルと遜色なく、ドアマンや警備員は24時間常駐していますし、コンシェルジュサービスもある。セントラルパークを見渡せる眺望もステータスになっています」

 そんな夢の塔に住まう、最も有名な日本人がNYヤンキースの田中将大と里田まい夫妻。家賃は実に約700万円に上るという。

■かみさんに一蹴

 ちなみに、ヤンキースの先輩に当たる松井秀喜も過去に入居していたのだが、同じ頃、意外な人物がこのマンションを下見していた。三井物産時代の籾井勝人NHK会長である。

 昨年1月の就任会見でもニューヨーク滞在時を振り返り、こう語っている。

〈松井選手は“55”じゃなく56階に住んでいた。実は私も見に行って88階の部屋を見せられました。“いいなぁ”と思ったんですが、かみさんに一蹴されましてね。その後、(ヤンキースの)ジーター選手が入ったんです〉

 トランプ氏と同じく、失言で知られる籾井会長だが、マンション購入では奥方の直言に逆らえなかった。

 さて、さすがにニューヨークの物件は手が届かないとお嘆きの向きにはこちら。2009年にハワイで完成した「トランプタワーワイキキ」である。

 舌禍ならぬ『絶歌』の出版を巡って騒がれた幻冬舎の見城徹社長や、“くまモン”の生みの親で知られる放送作家の小山薫堂氏らがオーナーとして名を連ねる。

 仲介業者に尋ねると、

「日本のワンルームに当たるスタジオタイプは33〜52平方メートルで、価格帯は8000万円台から1億円ほどです。最も広い3ベッドルームスイートは7億5000万円。すでに第1期は完売しています。購入者はIT系など、オーナー企業の経営者が多く、年齢層は40〜50代が中心です。名前は明かせませんが、芸能関係者も含まれています」

 住宅評論家の櫻井幸雄氏が補足するには、

「ハワイは日本人にも馴染みの深いリゾート地なので、IT長者や個人病院の院長などが相続税対策で購入しています。また、最近は中国人が移住目的でハワイの物件を買い漁っているので、投資対象としても狙い目だと思います」

 どれだけ舌禍を繰り返しても、タワーの資産価値だけは劣化しなさそうなのだ。

「ワイド特集 サンタクロースのすべらない話」より

週刊新潮 2015年12月24日号掲載