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家族愛という名の地獄 たとえ「毒」でも、「ボケ老人」でも――親を捨てられない長女たちの行く末は?
――痴呆が始まった母のせいで恋人と別れ、仕事も辞めた直美。父を孤独死させた悔恨から抜け出せない頼子。糖尿病の母に腎臓を差し出すべきか悩む慧子……今作は三人の女性が人生の岐路に立った瞬間を描いた短編集です。『長女たち』というタイトルに込められた想いを教えてください。
これまでも家族関係を描いた小説を書いてきましたが、今、「娘」という立場を正確に捉えた小説が少ないんじゃないかと思ったのが、この短編集を書いたきっかけです。お兄ちゃんがいても長女、一人っ子でも長女で、たくさんの女性が「長女」と呼ばれていますよね。...
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飽きない才能/『高峰秀子 夫婦の流儀』
ごく稀に、「互いに飽きない夫婦」がいるものです。結婚生活が長く続いても、ずっと新婚のように仲の良い夫婦が。
普通の夫婦生活を送る人は、「飽きない夫婦」を見て、言います。「ああいう夫婦さえいなければ、私は幸せなのに」と。つまり彼我の夫婦像を比べて、「あんな夫婦も実在するというのに、うちは……」と、落ち込んでしまう。
高峰秀子・松山善三夫妻は、希少な「飽きない夫婦」の一例です。妻が女優という、夫婦関係を維持するのが最も困難そうな条件下において、その関係が良好に長続きした事実とその背景を、この本は教えてくれます。...
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