ライバル企業を“第2のVW”と罵る「ダイソン」名物社長

企業・業界週刊新潮 2015年11月19日号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

〈吸引力が変わらない唯一の掃除機〉。日本でも、CMでお馴染みの英国家電メーカー「ダイソン」。創業者のジェームズ・ダイソン社長(68)は、ビートルズのポール・マッカートニーなどと並んで、8年前に“Sir”の称号を授与された。この英国財界の大物が、ライバル企業を“第2のフォルクスワーゲンだ”と罵り、欧州で波紋を呼んでいるという。

 その名物社長が10月21日、デイリーテレグラフ紙上でこう吠えた。

〈業界には良い製品を作るより、テストを上手くかい潜ることに熱心なメーカーが跋扈しているようだ。ボッシュとシーメンスのやり方は、フォルクスワーゲンと似ている〉

 名指しで批判された2社は“友好関係”にあり、ともにワーゲンと同じドイツ企業だ。経済誌の電機担当記者によれば、

「EUには商品の省エネテストがあり、最上ランクのAAAAから最低のGに分類される。ダイソンと、ライバル2社の掃除機の評価はいずれも最上ランク。名物社長は“テストの時、この2社は別の省エネ部品を使用し、しかも空のゴミパックを使用している”と指摘して、各国で訴えると主張しています」

 当然、この2社は“名誉毀損で訴える”と、売られた喧嘩を買う構えだ。

「ダイソン社長が、ボッシュを目の敵にするのには理由があるのです」

 こう語る英国在住のジャーナリストが続けて、

「3年前、ボッシュがダイソンの技術者を買収してモーター技術を盗み、それを中国の工場で使っていたことが発覚したのです」

 今年1月、ドイツ国内の掃除機販売シェアで、ダイソンはボッシュを抑えて史上初の1位になった。

「ボッシュは、ワーゲンにエンジン制御システムを供給している。ダイソンは、これを攻撃のチャンスだと判断したのでしょう」(同)

 泥沼の訴訟合戦は必至。軍配が上がるは英国か、それともドイツか。