篠原涼子も阿部寛も“見逃し配信”の稼ぎ

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 狙いは広告だという。

 10月26日に始まった在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)の番組配信サービス「TVer(ティーバー)」である。阿部寛主演の『下町ロケット』(TBS)や、篠原涼子が苦戦中の『オトナ女子』(フジテレビ)など、ドラマとバラエティを中心とする約50番組を無料で見られるのだが、

「今まで各局が独自に行ってきた番組の配信サービスを一括した点が、このサービスの新しさ。その背景にあるのが、歯止めのきかない若者の“テレビ離れ”です」

 と、ある民放局員。

「テレビをリアルタイムで見る代わりに、インターネット上にアップされた違法動画をパソコンやスマホで見る人が増えている。一方、企業のインターネット広告も伸びているので、より間口の広い『TVer』という媒体をつくり、新たな視聴者と広告を呼び込もうというわけ。各局が自社の配信番組用にスポンサーを集め、番組の冒頭、中盤、末尾にCMを流すという仕組みになっています」

 実際、「TVer」で番組を見てみると、P&Gのシャンプー「パンテーン」や富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」のCMが流れる。とはいえ、圧倒的に多いのは番宣であった。

「先ずは動画閲覧数を稼いで、媒体としての『TVer』の価値を高めないといけませんからね。その点、10月27日のアイフォーン向け無料アプリランキングで2位に食い込んでいたので、出だしは好調」(同)

 狙い通りに行くか。

週刊新潮 2015年11月12日号掲載

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