USJが“転売チケット”無効に踏み切った暴利事情

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 どんなチケットでもその転売は、各都道府県の迷惑防止条例で禁じられており、量刑は6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる。警察当局は暴力団の資金源の1つと見ているが、ネット上のオークションサイトは増加する一方。そこでユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が転売防止対策に乗り出したという。

 USJは、11月1日からネット上で転売されたチケット『エクスプレス・パス』などを無効にすると発表した。このパスがあれば2~3時間待ちのアトラクションでも、10~15分での入場が可能。USJ広報室によれば、

「昨年、『ハリー・ポッター』をテーマにしたアトラクションを開業した後から、不自然なチケット購入が目立つようになったのです。公式ホームページで『エクスプレス・パス』の販売を開始すると、数秒で売り切れてしまう。明らかな転売目的だと判断しました」

 転売目的で買い占められたチケットの総額は年間10億円に上り、定価1枚7200円(税込)の『エクスプレス・パス』がペアで約14倍の10万円で落札されたケースもあると言う。

「そこでオークションサイトを監視する数十人の専門チームを立ち上げました。ネットでの転売が確認された場合、チケットに印字されているQRコードを無効にして使えなくします」(同)

 このニュースを知らず、『エクスプレス・パス』を持って行った場合はどうなるのか。

「『エクスプレス・パス』が無効になっても、入場に必要なスタジオ・パスでアトラクションを体験できますが、普通にお並びいただくことになります」(同)

 転売常習のダフ屋は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる。

週刊新潮 2015年11月5日号掲載

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