人は120歳まで生きられるから還暦「ドクター南雲」3つの忠告

ドクター新潮 健康 長寿

  • ブックマーク

■食事のサインは「グーッ」

 このテロメアの長さを年齢によって計ってみた研究があるのですが、細胞には120歳までの長さのテロメアが用意されていることが分かっている。

 とはいえ、実際には長寿大国でも100歳がやっと。なぜ、そうなってしまうのか。それは「不摂生」のためです。高齢者が死亡する原因として4分の3を占めるのが食生活、喫煙、感染症であるとされています。しかし、逆に言えば長生きのために特効薬は必要ないことを意味してもいる。だとすれば、私たちが変えるべきは生活習慣であることが明白です。

 還暦を機にまずやってほしいことがあります。それは朝昼晩の3食という常識を捨てること。そして、お腹がペコペコになったときだけご飯を食べるのです。お腹が「グーッ」と鳴るまで、ちょっと我慢するぐらいがいい。簡単ですよね。

 なぜ、これが長寿につながるのでしょうか。

「人類」が地球上に出現して約17万年経ちますが、ずっと飢えとの戦いでした。しかし、飢えを耐え忍ぶ「生命力」を発揮したからこそ、今日の繁栄がある。

 では、その生命力とは何か。医学的に言えば「成長ホルモン」、「サーチュイン遺伝子」、そして「アディポネクチン」の3つが挙げられています。これらは飢餓状態がトリガーとなって現れ、生命機能の維持と、体力の増進を促す。ペコペコになったら食べるというのは、わざと軽い飢餓状態を再現することで、「延命物質」を体に作らせるためです。

「成長ホルモン」について説明しましょう。小腸に食べ物がなくなると、ぜん動が起こります。それによって胃に残っているものを小腸に流しこむ。しかし、胃が空っぽだとお腹が「グーッ」と鳴るだけ。

 すると、今度は「グレリン」というホルモンが分泌され、それが成長ホルモンの分泌を促します。この成長ホルモンは、エネルギーを補給しようと内臓脂肪の燃焼を働きかける。また、血管・心臓に大きなダメージを与える内臓脂肪を減らしてくれるだけでなく、この成長ホルモンには皮膚や粘膜を修復する働きがある。肌艶を保ち、外見上も若返りの効果があります。

 成長ホルモンが出ると次に活性化するものがあります。「サーチュイン遺伝子」です。「抗老化遺伝子」とも呼ばれ、テレビでも話題になったことがありますが、MITのレオナルド・ガレンテ教授が99年にその存在を明らかにしました。実験ではサーチュイン遺伝子を活性化させると寿命が1・5倍まで延びることが判明しており、人体にも存在が確認されています。

 その機能がすべて解明されているわけではありませんが、サーチュイン遺伝子は他の遺伝子を修復する機能を持っていると言われています。例えば、発がん抑制遺伝子を活性化させ、がんを防ぐ。記憶障害やアルツハイマー、動脈や心臓に関わる遺伝子にも作用すると言われています。

 大事なことは、普段は“スイッチオフ”なのに空腹がきっかけで働き出すこと。太古から命が危機に晒されると動き出す「生命維持装置」だったのではないかと言われているのです。

 そして、若返りのための“真打ち”ともいえるのが「アディポネクチン」です。

次ページ:■食べ物は「皮」を食え

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。