つんく♂ がん治療について語る「自分の感覚を信じるべき」

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ニューヨークで受けた最悪の宣告

 10月初旬、モーニング娘。のニューヨーク公演に帯同したつんく♂さんは、その旅を病気に打ち勝ち、新たな一歩を踏み出すための人生の岐路だと考えていた。つんく♂さんが16年前に立ちあげたグループが、NYのまんなかでライブを行う。そんな輝かしい日になるはずだった。しかしそのライブの二日前、NYに到着したばかりのつんく♂さんに、日本から生体検査の結果を知らせる電話がかかってきた。

《「すいません。やはり癌でした。この腫れは三月の放射線で叩ききれなかった癌がさらに大きくなったんだと思われます」ずっと考えないようにしていた最悪の結果だった。(中略)完全寛解から一気に地獄やな。今までの検査はなんやったんやろか。僕が自分の不調に気づいて訴えていた、あのあたりで発覚していたらここまで喉も腫れなかっただろうなぁ。》

 そして「僕がもっと自分を信じて他の病院ででも調べてもらうべきだった」と述べる。モーニング娘。のNY公演を見届けたつんく♂さんは緊急帰国、その後声帯を全摘する大手術となった。

自分の感覚を信じてほしい

 つんく♂さんは同書を書いた理由として、自分の感覚を信じる大切さを伝えたかったと語っている。自分で不調を感じていたのに、がんの発見が遅れてしまったことや、検査結果を鵜呑みにしてしまったことを悔やんでいるという。

《お医者さんも人間。時には見落とすこともある。あなたが医師に診察されるだけでなく、あなた自身が医師を見定めていくというくらいの気持ちが必要であると思います。》

 つんく♂さん自身の体験からでた真摯な言葉は、がんに限らず病気への対応を考えさせられる貴重な提言だ。

デイリー新潮編集部

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