自殺者が後を絶たない過酷な中国「大学入試」

中国週刊新潮 2015年5月7・14日ゴールデンウイーク特大号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

「中国の学校、恐怖の試験を前に“自殺防止”フェンスを導入」と英テレグラフ紙が報じた。6月に行われる中国の全国統一大学入学試験“高考”を前に、自殺者の相次ぐ河北省の進学校、衡水第二高校がバルコニーを刑務所のような鉄柵で囲ったというのだ。中国の入試ってそんなに厳しいの?

「較べものにならないですよ。なにせ科挙の国ですし、一人っ子政策で親の期待も尋常ではないですから」

 とは、拓殖大学教授の富坂聰氏。

「昨年の“高考”は、日本のセンター試験受験者数の18倍以上、約980万人が受験。4教科750点満点の一発勝負で進学先、極端に言えば“一生”が決まるので親も子も必死です。科挙さながら、700点台を取るような成績トップの学生は顔写真付きで氏名や出身校を公表、学校も喧伝します」

 学校側は合格者増を狙い、

「朝の5時半から夜10時まで勉強漬け、というところも珍しくありません」

 とは中国に詳しいジャーナリスト、高口康太氏。

「塾のない中国では、親から依頼された補習が教師の副収入にもなるからですが、超詰め込み教育です。親は莫大なお金が必要ですし、子供は恋愛などもってのほか、地獄の受験勉強話などいくらでもありますよ。そのプレッシャーから毎年のように自殺者が出ますが、それもこれも、国営企業に就職できたり役人になれるのは事実上、限られた大学の出身者だけだからです」

“ゆとり”がよかったとは言わないが――。