悲しむのは人間だけではなかった/『死を悼む動物たち』

社会

 人間と動物との間にはかつては明瞭で鋭い断絶線が想定されていたが、時代とともに徐々にぬぐわれ、今ではむしろ差異性よりも同一性が強調されることが多い。言葉や道具、直立二足歩行、装い、便益の贈与・交換……なども決して人間の専有物ではなく、霊長類やある種の鳥類にはごく普通に見られ、人間との違いはせいぜい程度問題といわれる。そんな中で死の認知(自覚を含む)と、その認知に基づいてなされる悲しみの儀式化・芸術化は、いわば人間の固有性の最後の砦のようにも見られてきた。

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