たけしが地震学者に聞く サバイバルの必需品3点セット

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 東日本大震災から5年が経過した。甚大な被害を出したその記憶も新しいままに、東海・東南海・南海の三連動地震「南海トラフ巨大地震」や、東京を襲う「首都直下地震」も危惧されている。

 突然地震が起きたときのために何を備えておくべきか、ビートたけしが地球科学者の鎌田浩毅・京都大学教授に聞いてみた。

■まずは身の回りを守る

 まず、身の回りについてはどのような備えが必要なのだろうか。

鎌田:例えば寝室では、家具が倒れてこないようにしておく。僕の家の寝室では、ぬいぐるみしか落ちてこないようになっています(笑)。たけしさんも寝ているところだけには、家具を置かないでください。東京の住宅事情ではなかなか難しいでしょうが、とにかくそれが身を守る最大の方策ですね。

たけし:おいらも東日本大震災の後、頭を守るヘルメットが必要だと思った。そうしたら、弟子がヤクルトスワローズのヘルメットを買ってきた。格好悪いったらありゃしない。

鎌田:町を歩いていて地震が起きた場合、ガラスがバラバラ降ってくる可能性があります。雑誌一冊、かばん一つを頭に載せるだけでも助かるんですよ。

たけし:結局、いつ地震が起きてもいいように、普段の心がまえが必要だということですね。

■ライトと食べ物と水を携帯する

鎌田:僕はかばんの中にはいつもペンライトを入れています。都営地下鉄の大江戸線の六本木駅は地下42メートルのところにあるらしい。もし、地震によって六本木駅で地下鉄が止まったらどうするか。そのときはペンライトの光を頼りに、地表まで上がらないといけない。電池が切れてもいいように、常に予備の単四を4本持っています。電池1本で2時間持ちますから、これで8時間は大丈夫です。

たけし:地下鉄や地下街にいたら、まずは外へ出たほうがいいわけですね。

鎌田:いつ津波などで水が来るかもしれないので、地下からできるだけ早く退避するべきです。それに地上が大災害だったら、そのまま忘れ去られてしまうかもしれない。だから、自力で上がらないといけない。非常灯がついたとしても、いつまでもつか分からない。そういう意味で、やっぱりライトは必需品です。

それと非常食ですね。チョコレートやドライフルーツなどカロリーが高くて、保存しやすいものがいい。

たけし:食べ物がないと力も出ないでしょうからね。

鎌田:あとは500ミリリットルのペットボトルにはいった水です。ライトと食べ物と水、これらを僕はいつも携帯しています。東海、東南海、南海地震の三連動、それに東京を襲う直下型地震のことを考えると、常に携帯していないと怖いですね。僕だけでなく、みんなが持つようにすれば、たくさんの人が助かる。例えば地下鉄の乗客の3割でも同じものを持っていたら、それで全員が地表へと上がれるじゃないですか。
 首都直下地震が起きると、内閣府の想定では650万人の帰宅難民が生じる。その全てが帰宅しようとしたら、どうなるのか。都心から20キロ乃至40キロ離れたところから通っている人が多いでしょう。だいたい普通のサラリーマンが一日に歩ける距離は10キロ程度です。そうしたら、自宅に着くまで何日もかかる。
だったら、帰らないで、1週間会社に泊まるつもりで、水と食料を用意しておく。その他にも、会社から帰宅するときのために歩きやすい靴を軍手も用意しておいたほうがいいです。

たけし:今、話したような知識はとても重要なことですね。

 天災は忘れたころにやってくる、とは物理学者・寺田寅彦の言葉だが、東日本大震災から3年が経過した今だからこそ、地震に備えるための準備をし直してみる必要があるかもしれない。

 世界のキタノが鎌田氏をはじめ、11人の達人・超人たちと語り合った本対談の全文は、対談集『たけしのグレートジャーニー』に収められている。

デイリー新潮編集部