年収は? 待遇は? 現役東大教授が明かす「東大教授というお仕事」

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 国際的なランキングでは低いといった声もあるにせよ、東京大学がわが国の大学の頂点に君臨していることは多くの認めるところだろう。そこで教えている「東大教授」となると、普段あまり接点はないし、どんな人がどんな暮しをしているのかといったことは、伝わってこない。ちょっと「謎の職業」という面もある。

■平均年収1100万円

 そんな職業について、現役の東大教授である沖大幹さんが書いた本、その名も『東大教授』(新潮新書)が話題になっている。沖さんは、水に関する研究「水文学(すいもんがく)」の専門家だが、本書ではその専門ではなく、あくまでも「東大教授というお仕事」について解説している。

 まず、気になる年収については、「平均で1100万円ほど」というのが答え。これをどう捉えるかは人それぞれだが、実はこの金額は、他の国立大学とほぼ同じで、東大だから高いということはない。また、震災復興のため国家公務員給与が10パーセント削減されるのに合わせて、東大教授の給与も下げられていたという。

■アメリカトップ大学は平均2000万円

 それでもこの不景気の続く中、結構な金額だ、と思う方もいるかもしれないが、そうでもないという見方もできる。教授の平均年齢は約55歳なのだ。一般企業では、管理職もしくは役員になっていてもおかしくない年齢である。

「助教などの職に就いてきちんと給与がもらえるようになるのが30歳前後とそもそも遅く就業年数が短い点などを勘案すると、生涯賃金としては決して高くはありません」
 というのが沖氏の見解。海外の大学と比べてみると、ハーバードやカリフォルニア工科大学といったアメリカのトップ大学の教授の給与は平均で約2000万円とかなりの高額だ。もっとも、沖氏は不満を述べているわけではなく「そもそも趣味が教育研究だと普段の暮らしに大金はいりません。給与水準が国際的には低くともやりがいがあるため、多くの教授は満足している」と語っている。

 基本的に個室は与えられるが、専用車や秘書などはなし。ただし、大きな研究グループなどでは、研究費が許す限り、さまざまな雑務を任せられる職員を雇用することが多いようだ。

 なお、沖さん自身は東大教授という仕事にすこぶる満足しているそうで、「生まれ変わってもこの仕事をやりたい」と語っており、「周囲の人も、仮に宝くじで大金が転がり込んできても今の仕事を続けたいと口を揃えて言う」とのこと。収入もさることながら、この「満足度」の高さはうらやましい限りである。

デイリー新潮編集部