安倍総理の携帯・iPadから情報流出のおそれ 国益を損なう安易なウェブサービス利用

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■総理も利用するiPad・フェイスブック

 安倍総理が先の参議院議員選挙期間中に日本中を飛び回る際、いつも持ち歩いていたタブレット端末がある。米アップル社製の「iPad」だ。移動中に総理お得意のフェイスブックやツイッターなどをチェックし発信をする、ITスキルに長けた新時代の首相の姿がそこにはあった。

■米当局による大手ウェブサービスからの情報収集

 時を同じく2013年夏、エドワード・スノーデン氏による告発で米国家安全保障局(NSA)がマイクロソフト、グーグル、ヤフー、フェイスブック、アップルなどの大手ウェブサービスから、電子メールや通話の内容、画像・動画、ソーシャルネットワークの利用状況などの大量のデータを入手していたことが明るみに出た。

 米国のブログメディアHuffingtonPostに政府関係者が「この情報収集は米国市民や米国内に住む人物をターゲットにしたものではない」との声明を出し、この問題に関して米国内で政府を非難する声は大きくない。

■「だだ漏れ」する個人情報

 ところが我々は米国市民ではない。もちろん安倍総理も。総理や我々が日常的に利用するフェイスブックやiPad・iPhone、GmailやSkype、これらの中のデータが全てアメリカさんには筒抜けだったというわけだ。

 この状況に警鐘を鳴らすのは作家の楡周平さん。近著『「いいね!」が社会を破壊する』でこう疑問を呈している。

「アメリカでは2009年にオバマ氏が大統領に就任した際、氏が使用する端末、ブラックベリーからの情報流出を恐れ、米国は徹底的なセキュリティー対策を施したことが伝えられましたが、果たして我が国の要人、中枢機関に勤務する人たちは大丈夫なのでしょうか。」

「まさか国政に関する資料をスマホでやり取りしたり、自宅のパソコンと同期したり、果てはクラウドに上げておくなんて、情報リテラシーの“高い”ことはしてませんよね。」

■「だだ漏れ」する国益

 また同じくこの夏、中央省庁の官僚らが内部機密の文書を米グーグル社の無料サービス「グーグルグループ」で共有し、設定ミスによりインターネット上で誰でも閲覧可能になっていた問題が発覚した。それもひとつではない、計5省庁で同じような流出が確認された。公開範囲の設定さえ満足にできないのに米国製の無料サービスを使ってしまう。国益を守るという機密保持意識に関しては何をか言わんやである。

 TPP交渉や基地問題、拉致問題や「困った隣人」との外交問題など、米国と日本の国益が反することは多々あるはず。国会議員のセンセイ方や国家中枢で働く官僚の皆様、あなたが得意げに使っているそのウェブサービス、大丈夫ですか? くれぐれもご注意を。

デイリー新潮編集部

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