実力派の人気芸人が犯した致命的ミス 「個人でライブ」で契約終了 処分が「妥当」だったワケ

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ナイチンゲールダンスのヤス

 11月1日、吉本興業がお笑いコンビ・ナイチンゲールダンスのヤスとのマネジメント契約を10月31日付で終了したことを発表した。ヤス本人はXで、個人でお笑いライブを主催したことが契約終了の理由だと説明した。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 ナイチンゲールダンスは2023年の「ツギクル芸人グランプリ」で優勝し、2023年と2024年には「M-1グランプリ」で準決勝に進出した実力派コンビである。今後もコンビ活動は継続し、相方の中野なかるてぃんは吉本興業に所属したまま活動するという。

 契約終了の理由が「個人でライブを主催したこと」だという点に関して、SNSなどでは「処分が厳しすぎるのではないか」という意見も見受けられた。しかし、芸能事務所のビジネスモデルを踏まえて考えると、今回の契約終了は不可解なものではない。所属タレントが事務所の管理を離れて勝手に仕事をすることは、事務所にとって看過できない問題だからだ。

 そもそも、吉本興業は全国に自前の劇場を持ち、そこに所属芸人を出演させるという独自の仕組みを築いてきた会社である。劇場で経験を積ませて芸人を育成し、人気や実力に応じて出演機会を増やしていく。

 劇場で実力を磨いた芸人がテレビの賞レースなどで活躍することもあるし、逆にテレビで知名度を上げた芸人が劇場に観客を集めることもある。このような循環を作り出すことで、芸人の育成と興行事業を一体化させているのが吉本興業の強みである。

 その仕組みの中では、所属芸人がいつ、どこで、どのようなライブを行うのかということは、会社にとって重要な経営判断となる。芸人が外部の劇場を借りて勝手にライブを開催するようになれば、自社のライブの希少性や集客力に影響する可能性がある。

 さらに、芸人が頻繁に独自の興行を行うことで、出演機会の管理が難しくなり、芸人としての商品価値を維持するうえで支障が出てくる。

 闇雲にライブの出演機会を増やせば、タレントの価値が高まるとは限らない。事務所はタレントの人気や実力や特性に応じて、仕事の量や内容をコントロールしていく必要がある。芸人が自分の判断だけで興行を開催すれば、そのようなマネジメント戦略が崩れてしまう可能性がある。

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