オリーブオイルはオレイン酸が豊富なのでダイエットにも便秘にもいい・・テレビ番組で紹介される間違いだらけの健康法
健康に良いとされることが、実は身体に悪い。誰もがにわかには信じがたいと思うことだろう。だが、巷に溢れている健康情報の大本となった研究データが、日本人に基づいたものではないと知ったら……。今までの常識が覆る驚きの“新常識”を、健診・人間ドックで延べ30万人以上を診てきた内科医・奥田昌子医師が語る。
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日本人と欧米人では体質が違う
健診でお話を聞いていると、健康意識の高い方ほど、テレビやネットで紹介された健康法を熱心に実践していることがあります。「毎朝オリーブオイルを摂っています」「赤ワイを健康のために毎晩1杯」「白米は一切食べません」と、自信を持っておっしゃる。厄介なのは、こうした方は「自分は健康にいいことをしている」という確信が強いことです。健康のために努力しているからこそ、その健康法自体を疑うことが難しい。ところが、検査値を見ると決して良くない。善かれと思って続けていることが、かえって健康を損ねている場合があるんです。
一言で言えば、体質が違うんです。日本人と欧米人を比べると、筋肉や脂肪のつき方、消化吸収やアルコール分解の力、ホルモンや酵素の量、腸内環境が一度違います。酵素の働きも、代謝も、薬への反応も変わってくる。同じ生活習慣でも病気のなりやすさが変わります。同じ人間だからといって、同じ健康法が通用するわけではありません。
ところが、欧米人を対象にした研究データが、そのまま日本人にも当てはめられているのです。アメリカのセレブに人気の健康法を紹介しても、日本人には逆効果になることすらあるわけです。
しかも、日本の医療現場でも状況は同じです。医学部の教科書は欧米のものを翻訳して使ってきました。日本人のデータを集めようという動きは今世紀に入ってようやく始まりましたが、きちんとした結論が出るには数十年かかる。現場の医師が経験則で「日本人には薬を半量にして」と調整しているのが実情です。
たっぷりオリーブオイルは逆効果
特に困るのがオリーブオイルです。ダイエットにも便秘にもいいと聞いて、どんな料理にもたっぷりかけているという方が少なくない。はっきり申し上げると、逆効果になる可能性が高いです。体に良いと言われても、大さじ一杯で126キロカロリー。油はすべて同じカロリーで、例外はありません。
日本人を含む東アジア人は、欧米人に比べて内臓脂肪がつきやすい体質です。オリーブオイルを摂りすぎれば、余分なカロリーが内臓脂肪として蓄積される。内臓脂肪は血圧を上げ、インスリンの効きを悪くする悪玉物質を分泌し、がんの発生にも関わることがわかっています。健康のための油が、かえって体を壊す原因になりかねないわけです。
テレビがオリーブオイルを勧める際は必ず「オレイン酸が豊富」という説明が出てきますが、人間はオレイン酸を体内で作ることができますので、オリーブオイルから摂取する必要はそれほどありません。でもそこは言わない。エゴマ油でもαリノレン酸が体内でEPAとDHAに変化するから体にいい、と言われますが、実際に変換されるのは一部にすぎない。一生懸命エゴマ油を取るよりも、EPAとDHAを直接含む魚そのものを食べたほうがずっといいんです。
心臓病の多い国を真似て愛飲“赤ワイン”
赤ワインについても、フランスは欧州で最も心臓病が少ない、それは赤ワインのポリフェノールが体にいいからだと言いますが、心臓病は日本のほうがフランスよりずっと少ない。日本は世界で最も心疾患が少ない国の一つです。日本人が、自分たちより心臓病の多い国の習慣を真似して、心臓病を予防しようとしている。医者の立場から見ると、少し不思議な話なんです。
しかも日本人はアルコールを分解する力が弱い方が多い。お酒を飲むと顔が赤くなる方はその典型です。アルコールをしっかり分解できない方が赤ワインを飲み続ければ、がんのリスクや血圧が上がりやすくなる。ポリフェノール目的なら、緑茶や野菜で十分に取ることができます。
さらに「白いご飯は太るから敵だ」というのは間違いです。日本人については、私はむしろ逆だと思っています。糖質制限が流行していますが、これが日本人にとって大きなリスクになりうる理由があります。日本人を含む東アジア人のインスリン分泌量は、欧州系の人の半分から4分の1しかないんです。縄文時代から木の実や穀物を中心とした植物性の食生活を送ってきた私たちは、インスリンが少量でも元気でいられた。ところが糖質制限をして炭水化物が入ってこなくなると、少ないインスリンではブドウ糖を十分に確保できない。膵臓は疲弊し、この状態が続くと糖尿病を発症しやすくなるのです。
江戸時代の日本人は一人一日3合から5合のお米を食べていました。それでも皆が痩せていたのは、脂質を摂らず、食物繊維をしっかり摂り、糖質を主なエネルギー源としていたからです。欧米に多かった大腸がんや膵臓がんはほとんど見られなかった。それが答えです。
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新潮QUEで配信中の【オリーブオイルに赤ワイン、糖質制限まで――テレビとネットで溢れる間違いだらけの健康法】では、膵臓がんや大腸がん、動脈硬化といった増加傾向にある病に対する誤った情報の数々、そして奥田医師が説く正しき健康法を掲載している。


