惨敗のトランプ氏「イラン戦争終結」で巻き返し開始か…次に世界が懸念するのはAI関連の規制強化 米国経済が急減速なら「世界同時株安」も
イラン戦争終結でも次の問題は
次期大統領選で共和党が勝利するためには、物価高を収束させることが不可欠だ。幸いにもトランプ氏には、イラン戦争の終結という有効な手立てがある。
トランプ氏は3日、英国拠点の経済紙フィナンシャル・タイムズの電話インタビューで、(イラン攻撃の)準備はできているが、その必要はないかもしれないと語った。戦争終結の期待が高まったのか、原油価格(米WTI原油先物価格)は4日、一時1バレル=87ドル台まで下落し、終値としては約2か月ぶりの安値となった。
共和党の次期大統領候補と目されるバンス副大統領も4日、中間選挙で敗れた原因は「戦争」とSNSに投稿した。トランプ氏が始めたイラン戦争に距離を置くような姿勢だが、トランプ氏は投稿を問題視しない考えだ。側近による自身への批判を受け付けないトランプ氏としては異例の反応といえる。
同じく大統領候補と噂されるルビオ国務長官も、イランとの外交に積極的な態度を見せている。トランプ氏の側近主導で事が進めば、原油価格がさらに下落し、米国の物価が安定する道が見えてくる。
この流れは原油高に苦しむ日本経済にとっても朗報だ。しかし、他方ではマイナスの流れが起こる可能性がある。
DC建設に歯止めかかれば経済減速
4日の東京株式市場では日経平均株価の前営業日比の下げ幅が一時3000円を超えた。これは民主党が人工知能(AI)関連の規制強化に動くのではないかという警戒感が強まっていることを示している。
米国におけるAI向けの大規模データセンター(DC)の建設ラッシュは目を見張るものがある。だが、騒音問題に加え、周辺地域の電気・水道料金が値上げされるケースが相次いでいるため、DCは今や「迷惑施設」と化した感が強い。
このため、中間選挙に合わせ、全米各地でDC建設を巡る住民投票が実施された。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、DC規制強化の措置が可決された町は、3日深夜時点で10以上に上った。
米国最大のDC建設計画地である南部テキサス州の知事選挙でも、州民を保護する法律が成立するまでDC建設禁止を主張する民主党のイノホサ候補が勝利した。
トランプ氏は、地方で進むDC建設阻止の動きを阻止しようとしてきたが、民主党が多数派を占める議会の下では今後困難になると言わざるを得ない。
だが、DC建設を柱とする企業のデジタル投資は米国経済を牽引する存在となった。これにストップがかかれば、米国経済は急減速し、世界同時株安のシナリオも現実味を帯びてくるのではないだろうか。
中間選挙後の米国経済の動向は、日本経済の行く末を大きく左右する。引き続き高い関心を持って注視すべきだ。







