惨敗のトランプ氏「イラン戦争終結」で巻き返し開始か…次に世界が懸念するのはAI関連の規制強化 米国経済が急減速なら「世界同時株安」も
有権者の不満は経済政策の失敗に集中
日本をはじめ、国際社会が注目していた米国の中間選挙で、野党・民主党が大勝した。事前予想では勝敗が確定するまで時間を要するといわれていたが、大勢が判明したのは選挙当日の夜だった。
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最大のかく乱要因とみなされていたトランプ米大統領の対応も意外だった。選挙当日の夜には、米紙ニューヨークタイムズのインタビューで、選挙結果を全面的に受け入れる意向を示している。民主党の優勢があまりに明白だったため、難癖をつける意欲を失ったのかもしれない。
民主党が勝利したものの、選挙結果を決定づけたのはトランプ氏が率いる与党・共和党の自滅だったとの指摘が有力だ。
有権者の不満は、現政権の経済政策の失敗に集中した。米国の9月の消費者物価は、第2次トランプ政権発足直前の2024年12月と比べ、6.8%も上昇している。
車社会の米国で、国民が物価高を肌で感じるのはガソリン価格の高騰だ。全米自動車協会(AAA)によれば、選挙当日のレギュラーガソリンの全米平均価格は1ガロン当たり4.15ドルだった。
今年5月に付けた高値(4.56ドル超)を下回っているが、選挙日としては過去最高だ。ディーゼル価格も1ガロン当たり6ドル超えの状況が続いている。このことが、車で移動する傾向が強いとされる共和党支持者の投票行動にマイナスの影響を与えた可能性がある。
民主党も今後を楽観視できない理由
レームダック化が指摘され始めているトランプ氏だが、今後どのように政治運営を進めていくのだろうか。
トランプ氏は選挙直後に民主党との協力姿勢を示したが、これを額面通りに受け止める向きは少ない。選挙戦の終盤では、仮に民主党が議会の過半数を獲得した場合、自身はミスター拒否権にならざるを得ないだろうと述べていたからだ。
トランプ氏の狙いは、大統領令を多用して自身の影響力を維持するとともに、拒否権の行使を通じて、民主党主導の議会の成果を封じ込めることだろう。
民主党は敵失で勝利した形だが、好感度は共和党と同じぐらい低かったとの指摘がある。党内では民主社会主義者などの急進左派と穏健派の路線対立がさらに激しくなると予想されることに加え、党内をまとめられるカリスマ性のある候補も見当たらない。そのため、2028年の大統領選挙で民主党が勝てるかどうかは不明だ。
中間選挙で大敗を喫した今、トランプ氏の優先課題は、次の大統領選で共和党が勝利することではないかと筆者は考えている。
自身やファミリーを巡る利益相反ぶりへの批判が高まる情勢を見るにつけ、民主党の大統領候補が勝利すれば、バイデン前政権時代のようなトランプ叩きが再燃する可能性が高いからだ。
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