「サトテル退団をみすえる阪神フロントの懸念」 500億円超のスポーツ事業をどうやって維持するか

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細かな文言にこだわった

 レギュラーシーズンでは球団史上初の連覇を果たしたものの、クライマックスシリーズではDeNAを本拠地に迎えながら4連敗を喫し、日本シリーズ進出を逃した阪神タイガース。三冠王を獲得した佐藤輝明(27)のポスティングシステムを利用した米メジャー移籍を球団は容認したが、「ポスティング予備軍」が複数いるだけに、チームはこれまでの形を変えることを余儀なくされそうだ。

「佐藤は今季のキャンプイン直前まで契約書類に判をおしませんでした。交渉では今季終了後にポスティングによるメジャー移籍を球団にできるだけ高い確率で了承してもらうため、細かな文言にこだわっていたようです」

 と、スポーツ紙デスク。

「具体的に三冠王という文言があったかというと微妙です。“日本でもうやることがなくなるくらいの成績をあげる”程度の内容はあったかもしれません」(同)

 契約書でどう表現するかは難しいが、タイトル数などを明示することは可能だろう。

年俸9億円も不思議ではない

 佐藤は実働6年で二冠王と三冠王を獲得し、チームのリーグ優勝3回、日本一1回に大きく貢献した。2年連続のMVP獲得が有力視される。

「6年という時間だけを見るとやや短い印象もありますが、佐藤の勝利への貢献度は誰もが認めるものでしょう。広くて特に左打者には不利とされる甲子園球場を本拠にして2年で5冠(今年の最多安打も加えると6冠)を達成し、連覇ですからね。佐藤はより高いレベルで世界最高峰でのプレーを望んでいますから、球団としてもキャンプイン直前の契約締結時点から“ケガがなければ今季終了後のポスティング”が現実味を帯びていたようです。もちろんメジャーで活躍すればけた違いの報酬もついてくるわけですが」(同)

 佐藤の今季年俸は出来高5000万円込みで約5億円とされる。

「仮に佐藤が来季の契約を阪神と結ぶなら、1タイトル1億円に三冠王ボーナスを入れて単年で9億円も不思議ではありません。日本のプロ野球で1選手に10億円レベルを出すのは異例ではありますが、佐藤が望むなら球団はそのレベルの契約を提案した可能性はあると思います」(同)

超優良企業

 ここで少し阪神の懐具合に触れておこう。ときにその財務構造は「スポーツビジネスの理想郷」と評される。球団単体の売上高は非公表だが、過去には200億円を超えたと報じられている。当期純利益は、2024年3月期が約26億6000万円、25年3月期が約22億円、26年3月期が約27億5000万円だった。そして、親会社の阪急阪神ホールディングスの26年3月期決算では、スポーツ事業全体の営業収益が約571億円、営業利益が約124億円に達した。阪神だけでなく、甲子園球場などを含むスポーツ事業全体がグループの収益を支える重要な柱になっている。

 通常、球場ビジネスは維持費や減価償却費、周辺インフラの整備コストといった固定資産の負担を伴う。ただし、阪神の球団会社自体が甲子園球場を保有・運営しているわけではない。球場事業と球団経営を分けることで、球団会社は球場の資産負担を直接抱えずに済む構造だ。

 甲子園での主催試合では平均4万2000人超を動員し、その集客力を背景に阪神のスポーツ事業はグループの収益を支えている。売上が何百億円あっても巨額の年俸や贅沢税、各種の借金返済が重くのしかかるメジャー球団にはうらやましい状況と言っても良いかもしれない。

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