「高市さんは、もうちょっと横の人に相談したらいい」80歳井脇ノブ子さんが語る、女性政治家への“期待”と“注文”
「男の倍努力しないと上に行けなかった」
いま、女性政治家に何が求められているのか。井脇さんは、女性のリーダーに寄せられる期待をこう受け止めている。
「女性が総理になったことも影響しとるんだろうね、いまは国民のほうが、女性のリーダーを望んどる。女性の目線で、偉そうにせず、国民の声を聞きに下まで降りていく。それがいいんだよ」
同時に、能力に関係なく男性を上に据える風潮が「確実に変わってきた」とも。
「私なんかもそうだったけど、女の場合、男の倍くらい努力しないと上に行けなかったし、人もついてこんかった。でもその分、人の意見を聞いて、頭を下げて、若い人たちを育てる。力のある人に媚びを売るのではなく、そういう努力の大切さは、女性のほうが知っとると思うよ」
男の政治ではこぼれ落ちる声を、女性の立場で拾い上げる。それが議員時代から変わらぬ井脇さんの信念だ。では、女性であること自体を売りにする政治家についてはどうか。そう水を向けると、語気を強めた。
「それじゃダメなんだよ。全然ダメ。本当の政治家はね、自分の実力で、世界に通じるような立派な人にならなきゃ。常に国家のことを思わなきゃいけない」
高市首相には「横の人たちに相談しながら」
女性初の首相となった高市早苗氏について、井脇さんは『昔から独特の個性を持っとる人』と評する。そのうえで、こんな注文を口にした。
「あの人は昔から総理大臣になりたがっていたからね。『なりたい』ってのはいいことだよ。イヤイヤじゃないんだから。ただ、単独でバーッと決めて、どんどん進めていくでしょう。それをもうちょっと、横の人たちに相談しながらやったら、女性である高市さんが政治家になった意義も、もっと生きてくると思うんだよね」
同じ2005年に初当選した片山さつき氏や稲田朋美氏ら“同期”の女性議員には、「みんな一生懸命、真面目にやっとる」と目を細める。なかでも、文部科学相を務めた阿部俊子氏とは、今でも頻繁に食事をするほど仲がいい。
井脇さんのもとには、政治家を志す若者から相談が舞い込む。そのとき、井脇さんが必ず確かめることがある。「国民や有権者のために、どこまで本気で身を投じられるか」という点だ。
「情熱がどこまであるか。世の中をよくしたい、一人ひとりを豊かにしたい、次の世代にバトンを渡す道筋をきちんとつくりたい。そういう人かどうかなんだ。男でも女でも、関係ないよ」
政界を退いて12年。ピンクのスーツをまとった「井脇先生」の教育への思いは、いまも変わらない。
「小さな魂に、大きな希望を持たせる。それが私の教育だからね」
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