「高市さんは、もうちょっと横の人に相談したらいい」80歳井脇ノブ子さんが語る、女性政治家への“期待”と“注文”

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「男の政治では、どうしてもこぼれ落ちるものがある。それを女性が拾い上げんとね」

 前編記事【「やる気!元気!」から20余年…80歳の井脇ノブ子が明かす「ピンクのスーツは“女らしさ”のためじゃない」】では自らの過去、そして現在を語ってくれた元衆議院議員の井脇ノブ子さん(80)。後編では井脇さんが「生涯を捧げる」と誓った教育への熱い思い、2005年の出馬の思い出、そして女性初の首相が誕生したいま、後輩の女性政治家たちに伝えたいことを聞いた。

数百冊の手書きノートに込めた教育への思い

 井脇さんが政治を志したのは、「教育を変えたい」という一心からだった。2005年の衆院選への出馬にあたっては、教育基本法の改正という課題を前に、小泉純一郎首相(当時)から“長年、現場で子どもと向き合ってきた経験を国会で生かしてほしい”と請われ、出馬を決めたという。

 国会で最も訴えたかったのは、「日本の文化や伝統、歴史を子どもたちにきちんと伝えること」だった。

「武道や和の心、日本の伝統文化みたいなものが、学校からすっかりなくなってしまったからね。週に1回でもいいから入れてほしいと言い続けたんだ」(井脇さん、以下同)

 議員時代の井脇さんの勉強家ぶりを物語るのが、大量の手書きノートだ。審議の内容や自分の考え、思いを朝から晩までノートに書き留め続け、その数は、1期4年の在職中に数百冊に及んだ。

「実際、取材に来た政治部の記者が驚いたんだよ。『こんなにたくさんの手書きノートが積まれた議員室を見たことがないですね』ってね。でも書かないと、頭に入らんからね」

 在職中、井脇さんが力を注いだというのが、2006年12月に成立した教育基本法の改正だ。目標として、伝統や文化を尊重し、日本や郷土を愛するとともに、他国を尊重する態度を養うことなどが明記された。

「紙の教科書は絶対になくしちゃいかん」

 一方、最後まで訴えたのに実らなかった構想もある。教員になるためには「専門の養成大学の卒業を必須とし、卒業後にインターン制度を設ける」という案だ。

「いまは教職課程の単位を足せば、教育学部でも文学部でも経済学部でも、先生の免許が取れるでしょう。それじゃ心構えが違うんだよ。先生を育てる専門の大学を作って、そこを出んと先生になれんようにする。お医者さんみたいに、4年出たあとに2年ぐらいインターンをやるんだ」

 永田町でこれを訴えると、「その通りだ」と手を挙げて賛成する議員は少なくなかったが、井脇さんが思い描いた形では実現しなかった。教員の養成に対する思いは、今も強い。

「先生は10年に1度、研修を受けるべきだ」という主張もその一つだ。10年ごとの講習受講などを必要とした教員免許更新制は2009年に導入されたが、2022年に廃止された。現在も教員研修の仕組みはあるが、井脇さんは免許更新制の廃止について『決めたのに、もう消えてしまった』と惜しむ。導入が進むデジタル教科書については、紙を残すことの大切さを強調する。

「紙の教科書は絶対になくしちゃいかん。デジタルもあっていいけど、両方ないと。何度も繰り返し、手で書かないと頭に入らんからね」

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