アジア大会で話題沸騰の「ぷよぷよ」が“eスポーツ種目”に採用された必然…開発元のOBが明かす「95年開催の“ぷよマスターズ大会”には1万人が集まりましたからね」

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 eスポーツ競技で注目を集める「ぷよぷよ」を開発したコンパイルは、記録的な大ヒットを生みだしたにも関わらず、1998年に倒産してしまった。負債総額75億円という数字は、ゲーム会社の倒産としては類例がないほど巨額であった。倒産を機に多くのゲームクリエイターが同社を離れ、経営再建にも失敗し、2004年には破産してしまった。

 元社員の「ゆんま」さんは、コンパイルに97年に入社し、わずか1年で倒産という悲劇に見舞われた。にもかかわらず、現在もコンパイル時代のことをたびたび振り返っている。愛社精神はもとより、作品に対する愛は人一倍強いように思う。コンパイルとはいかなる会社だったのか。元社員の目線で語ってもらった。【取材・文=山内貴範】(全2回のうち第2回)

スタッフは本当に何でもやった

――コンパイルが開催するゲーム大会やイベントは、会場の熱気が凄まじかったと聞いています。

ゆんま:95年に1回目が開催された「全日本ぷよマスターズ大会」には、1万人が集まりました。朝10時に開幕し、来場者を東京駅から有明コロシアムまでバスで輸送していましたが、ずっと途切れなかったほど。会場の熱気はとんでもなかったですね。「コミックマーケット」の熟練のスタッフが助けてくれて、何とか開催できたといいます。

 21時で大会は終了。その後、「ぷよぷよ」の音楽を担当している田中勝己さんのライブがあって、22時でようやく終わりました。終電を逃した人も多く、一部の方は野宿したそうですが……。

――イベントのスタッフは、主にどんなことをしていたのですか。

ゆんま:列整理、混雑対応、ゲーム大会の監視、声出し、ポスターといった販促物の作成や頒布……などでしょうか。その場で必要と感じたことを、現地で考えながら担当していきました。

――本当になんでもやったのですね。

ゆんま:大変でしたが、自分達が盛り上げることで、他の一般のユーザーも楽しんでくれたことが楽しかったですね。その場にいるファンがみんなで参加して大会が盛り上がり、喜んだり悲しんだりして、大勢の方々と良い思い出作りができたと思います。

 会場が一体になる演出もあったんですよ。例えば、「ぷよぷよ」には連鎖ボイスというものがあります。連鎖をするごとに、キャラクターが「えいっ!」「ファイヤー!」などとしゃべるのですが、会場みんなで同じセリフを言うのです。すると、会場が一つになったような気持ちになりました。この掛け声役は、イベントで特に大事な存在でしたね。

 新卒で社員になってからは、現場を支えるために見えないところで活動する機会が増え、イベントの準備からサポートなど縁の下から支える方向に転進しました。翌年からは自分も表舞台に出ようと意気込んでいたのですが、入社から1年と経たずにコンパイルが倒産してしまったのです……。結果的に、自分は最後の新入社員になりました。

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