「“赤ちゃん”が撃たれて死んだ!」 神戸連続発砲事件、容疑者の元暴力団会長(79)の素顔とは

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 老いた男性が、興奮を隠そうともせずにまくしたてていた。

「“赤ちゃん”が撃たれた。撃たれて死んだ!」

 あちこちに電話をかけ、叫ばんばかりに物騒な言葉を口にし続けている。

 訝(いぶか)りつつその様子を眺めていた男性の知人によると、その人物は「末野興産」元社長の末野謙一氏(83)。

 住専の大口融資先だった末野興産の巨額資産隠し事件で、1999年に懲役4年と罰金3500万円の実刑判決を受けた“ナニワの借金王”だ。

「聞けば、“赤ちゃん”は神戸連続発砲事件の犠牲者、赤田正行さん(享年58)でした。それを知って心底驚くと同時に、末野さんが亡くなった方とどんな付き合いをしていたのかという疑問も湧いた。結局、本人にその関係を聞くことはできませんでしたが」

 9月30日に兵庫県神戸市の中心部で発生した白昼堂々の凶行は、世間を震撼(しんかん)させた。

 事件では、指定暴力団山口組系佐藤組「六甲連合」(現在は消滅)会長だった亀谷直人容疑者(79)が殺人未遂の疑いで逮捕されている。

 社会部デスクが言う。

「24年前の2002年、検察庁の裏金疑惑を告発しようとした大阪高検の三井環元公安部長(故人)が大阪地検特捜部に逮捕された事件で、亀谷も共犯として逮捕されています。のちに起訴猶予処分となり、わずか7カ月後に東京駅付近で当時の山口組系山健組『侠友会』(解散)会長を射殺。懲役20年の実刑判決が下されました」

いわくつきの物件

 喜寿の前後に出所した亀谷容疑者は、

「新神戸駅近くにある、家賃4万6000円のワンルームマンションでひっそりと暮らしていました。無職のためどうやって収入を得ていたのかは不明ながら、どこからか仕入れた怪しげな土地取引の話を持ち歩いていたようです」

 と、先のデスク。

 亀谷容疑者に胸や腹部を撃たれて死亡した赤田さんは、建設や不動産の関連事業を手がける会社を経営していた。同社の従業員が、10分後に別の場所で腹部を撃たれて重傷を負った荒井幸信さん(54)である。

「亀谷は赤田さんを通じて、香川県の小豆島に採石場を所有する建設会社に対し、採石場に隣接する土地を買ってほしいと打診していました。現時点では、その話がうまく進んでいなかったことが犯行動機とつながっているのではないかとみられています」(同)

 こうした見方について、兵庫県警の捜査幹部が解説する。

「赤田さんはかつて、東京の代々木にあった『真珠宮(しんじゅく)ビル』跡地の取引に関する虚偽登記事件で、名前が取り沙汰されたことがありました。このビルは、所有権を巡って管理会社の顧問が刺殺され、解体工事現場に散弾が撃ち込まれるなど、いわくつきの物件です」

 つまるところ、赤田さんは過去にも海千山千を相手に取引をしてきたわけで、

「亀谷の話があまりに“しょぼかった”、あるいは身勝手過ぎて赤田さんは取り合わなかったのではないか。むろん、小豆島の土地取引話が事実で、亀谷がだまされたという可能性も排除はしません。今後はこれらの経緯や背景、拳銃の入手経路などを明らかにしていくつもりです」(同)

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