「俺に投票しなければ予算をカットする」 恫喝音声の「簗農水相」に皆無の「センス」と「見識」
音声データの流出
9月の内閣改造で、農水相に起用されて初入閣を果たした簗(やな)和生・衆院議員(47/比例北関東ブロック)。週刊新潮は衆院選で自身を支援しなかった地元自治体を恫喝するような発言を同氏が行っていた音声データを入手し、その旨を報じた。簗氏は釈明に追われ、会見まで開いたが、国民の理解を得るにはほど遠いようだ。
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簗氏は現在、当選6回。慶大商学部を卒業後、東大院経済学研究科を修了。衆院議員秘書やシンクタンク研究員を経て2012年に初当選し、これまでに国交政務官や文科副大臣などを務めた。旧安倍派に所属しており、東京地検特捜部がメスを入れた裏金事件をめぐって1700万円超の政治資金収支報告書への不記載があり、2024年に自民党から役職停止6カ月の処分を受けた。
保守分裂選挙の結果
問題の発言をざっと振り返っておこう。今年5月24日、非公開で催された自民党大田原支部の総会。閉会後の懇親会で数十名の自民党員らを前に、簗氏は次のように語った。 「(栃木県)那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については、大幅にカットをしました」 「自民党の議員に頼っていくらの予算が必要だというところに、多く回すのが当たり前の話ですから」「那須烏山市については前年比で64%減、3分の1にしました。そして那珂川町は54%減にしています」
それに先立つ今年2月の衆院選で、簗氏は地盤の栃木3区から出馬したが、保守分裂選挙となり、無所属の渡邊真太朗氏に敗れて比例復活に甘んじた。同区に属する那須烏山市や那珂川町などの首長は渡邊氏を支援していた。ゆえに、「簗氏の発言は、自分に投票しなければどうなるかを知らしめる“恫喝”と言われても仕方がない」(自民党関係者)というわけだ。
入閣前の一議員としての活動に
名前のあがった2つの自治体において「社会資本整備総合交付金」が大幅に減っているのは事実だ。
本件の報道後、簗氏に説明を求める声は高まっていった。しかし、簗氏は「入閣前の一議員としての活動に関わる」内容だとして「コメントは控えたい」と、回答を拒み続けた。
「一般的に大臣に至る道は一議員としての活動の積み重ねですから、一議員時代の話だから答えない・答えられないというのは理解しづらいですね。多くの国民もまた同じような感想を抱いているのではないでしょうか。彼が大臣になったのは、高市早苗首相が自民党議員らに求めた”就きたいポスト”のアンケートに答えたからですしね」
と、政治部デスク。世論への誠実な対応が必要だと認識した木原稔官房長官の指示で簗氏は2日にこの件で会見を行った。音声内容を確認していないとしつつも発言内容をおおむね認めた。国交省への予算削減の働きかけや意図的な関与は否定し、あくまで予算の決定状況を確認・報告しただけと説明したが、大臣の辞任は否定して職責を全うする意向を示したのだった。
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