人口水増し疑惑で富山市役所を家宅捜索…“富山城”でも行われた、史実にない天守と石垣の「水増し」
人口減の現実から目を背けていては未来がない
日本人の年間出生数は、2025年に67万1236人だった(厚生労働省発表の人口動態統計)。10年前の2015年には100万5656人だったので、わずか10年で3分の2になってしまったことになる。
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少子化の速度は国立社会保障・人口問題研究所の予測より15年も速く進んでおり、おそらく20年経つか経たないかで、日本の人口は1億人を割り込むだろう。だから、日本ではいま、国はもちろんのこと、すべての地方自治体が、社会の縮小を見越した施策を進める必要に迫られている。空き家は増え、公共施設は老化する。それなのに人口減によって財政難に見舞われる。その現実に正面から向き合わなければ未来はない。
そんななか、人口統計の信頼を揺るがす疑惑が浮上した。富山県富山市である。総務省によれば、2025年の国勢調査をめぐり、複数の市職員が人口を水増ししていた疑いがあるという。
調査員が「居住実態なし」として抹消した世帯を、根拠なく存在するものとして扱うなどした疑いがあり、水増しされた人数は少なくとも2000人以上に上るとされる。5月に公表された速報値では40万2133人だった富山市の人口は、9月29日発表の確定値では39万9197人に下方修正された。総務省は同日、市職員を氏名不詳のまま統計法違反の疑いで富山県警に告発。10月3日には、県警が市役所の企画調整課を家宅捜索し、関係書類などを押収した。
国勢調査による人口は、地方交付税の算定根拠にもなる。2026年度は速報値をもとに算定されており、市の試算では、約6000万円が過大に交付された可能性があるという。人口の不正な操作は、単に数字のつじつまを合わせるだけでは済まず、公金の配分にも影響するのである。
いったい、なんのためだったのか。藤井裕久市長は10月2日の記者会見で、人口40万人を維持することが動機だったとの見方を否定し、幹部からの指示もなかったと説明した。ただし、動機や指示系統を含む実態の解明は、今後の捜査を待たなければならない。
それにしても、いったいなんのために、富山市はこんなばかばかしくも恥ずかしいことをしたのか。国勢調査による人口は、地方交付税の算定根拠になっている。2026年度の地方交付税は速報値をもとに算定されており、人口の水増しによって、富山市には約2億円が過大に交付された可能性があると報じられている。
いずれにせよ、現実と向き合わずに虚勢を張るような自治体には、未来がないというほかないが、筆者は、富山市の人口水増し疑惑を知って、「さもありなん」と思った。以前から富山市による別のものの水増しを苦々しく思っていたからである。
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