「この年のドラフトは失敗だったと認める形」中日で2023年組が大量戦力外…他球団編成が首をかしげる理由
中日で、わずか3年前のドラフトを見直すかのような動きが起きている。9月29日、井上一樹監督が今シーズン限りで退任することが発表された。同じ日、球団は福敬登、三浦瑞樹、土生翔太、尾田剛樹、川上理偉、津田啓史の6人と来季の契約を結ばないと発表。翌30日には辻本倫太郎とブライト健太、さらに10月1日には知野直人に戦力外を通告した。【西尾典文/野球ライター】
【写真】10月1日の対広島戦で25号のソロホームランを放った細川選手の姿
寝耳に水
3日間で計9人。その顔ぶれを見ると、気になる事実が浮かび上がる。土生、尾田、川上、津田、辻本の5人は、いずれも2023年ドラフトで中日に入団した選手なのだ。
井上監督は1990年から2009年まで中日でプレー。引退後は一軍打撃コーチ、二軍監督、阪神のヘッドコーチなどを歴任し、2025年から一軍監督を務めていた。
今シーズンは球団創設90周年の記念イヤー。昨オフにはメジャーで実績のあるサノーを補強し、ドラフトでは大学ナンバーワン投手との呼び声が高かった中西聖輝を獲得した。前年からの上積みを期待され、開幕前にはAクラス入りを予想する声が聞かれた。
ところが、3、4月を8勝19敗、勝率.296と大きく出遅れる。その後は上位争いに加われず、6年連続のBクラスが確定した。一方、7月は12勝11敗、8月は13勝13敗と持ち直している。9月には、昨季ドジャース傘下3Aで36本塁打を放った左の長距離砲ライアン・ウォードの中日移籍が発表されるなど、球団は来季を見据えた補強に着手していた。
そんな中で飛び込んできたのが、残り2試合での監督退任だった。
「球団内で来季から新監督を迎える話は全く聞かれておらず、まさに寝耳に水でした。監督の口から直接聞いた人はごく一部で、ニュースで知った人がほとんどだと聞いています。春先に出遅れた際にはシーズン途中で辞任する噂が出ましたが、まさか残り2試合で発表するとは思いませんでした」(中日の球団関係者)
井上監督は就任時に2027年までの3年契約を結んでおり、今季は2年目だった。当初は来季まで指揮を執る前提の契約である。球団創設90周年の年に結果を残せなかった責任を重く受け止め、井上監督自身が退任を決断した形だ。
驚きの戦力外通告
そして監督退任とほぼ同時に始まった大幅な選手整理は、その後も続いた。知野への通告が発表される前、球団関係者はこう話していた。
「井上監督の退任が急だっただけに、来季の監督、コーチ陣は白紙に近い状態だと思います。その段階で2日間に8人へ戦力外を通告したのは驚きました。選手が早く次へ動けるようにとの配慮かもしれません。ただ、来季の体制が決まるまでは人数を絞っても良かったのではないでしょうか」(前出の球団関係者)
戦力外通告の第1次期間は9月28日から10月9日まで。各球団が来季へ向けて選手整理を進める時期であり、早い段階で知らせれば、選手が次の所属先を探しやすくなる利点はある。
知野は昨オフの現役ドラフトでDeNAから加入したばかりだった。今季は6試合に出場し、3打数無安打。5月2日に出場選手登録を抹消され、その後は一軍昇格がないまま構想外となった。わずか1年での戦力外であり、中日が来季へ向けて大幅な入れ替えを進めていることが分かる。
気になるのは、新監督が決まる前に9人への通告に踏み切った点である。新たな指揮官によって求める選手像や起用法が変わるケースは珍しくない。それでも中日は先に選手整理を進めた。少なくとも、来季のチーム作りが編成主導で動いていることはうかがえる。
その中で際立つのが、2023年ドラフト組の多さだ。
「土生、尾田、川上、津田、辻本の5人は2023年のドラフトで入団し、今年がまだ3年目です。特に津田は2位、辻本は3位と上位で指名している。チームを大きく変える意図はあるのでしょうが、入団からそれほど年数が経っていない選手をここまでまとめて戦力外にするのは驚きました」(前出の球団関係者)
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