「この年のドラフトは失敗だったと認める形」中日で2023年組が大量戦力外…他球団編成が首をかしげる理由

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新監督以外にも注目

 今後、中日は井上監督の後任選びを本格化させることになる。報道では球団OBをはじめ、他球団で監督経験のある人物や大物の名前が候補として挙がっている。

 ただ、他球団の編成担当者は、監督の人選だけに焦点が集まる状況に疑問を投げかける。

「昔は監督が現場の指揮だけでなく編成にまで深く関わっていましたが、今は事情が違います。現在は編成の責任者を明確にして、どんなチームを目指し、どう戦うのかを現場と共有しながら選手を集めていく形が一般的です。中日は星野仙一さん、落合博満さんのように強い影響力を持つ監督の下で勝ってきた歴史があります。その成功体験があるせいか、監督が代わっても継続できるチーム作りの形が見えにくい。実績のある監督や有名なOBを呼ぶだけで勝てる時代ではないと思いますね」(前出の他球団の編成担当者)

 立浪監督は現役時代に球団を代表するスターとして活躍し、大きな期待を背負って監督に就任した。しかし3年間はいずれも最下位。2024年限りで退任した。

 その後を託された井上監督は、一軍打撃コーチ、二軍監督、阪神のヘッドコーチを経験しており、指導者としてキャリアを積んできた。それでもチームを上位争いへ導くことはできず、契約を1年残して退任する。

 監督の経歴やタイプは変わった。それでも低迷から抜け出せず、その間に編成を担う体制まで変化している。

 そこで思い出されるのが、現在は日本ハムでプレーする福谷浩司の言葉である。

 2020年オフ、福谷は契約更改の場で「来年以降に向けて、チームがどうしたいのか」と当時の球団首脳に問いかけた。球団の将来像を選手側から尋ねた発言として当時話題になった。

 あれから6年。中日は立浪、井上と監督を代え、編成を担う人間も入れ替わった。その一方で、3年前のドラフトで獲得した選手に相次いで大きな動きが起きている。

 新監督を誰にするのかは当然、重要である。ただ、それと同時に明確にする必要があるのは、誰がどんな基準で選手を獲得し、何年先を見据えて育て、どんなチームを作るのかという方針ではないだろうか。

 2023年ドラフト組への相次ぐ戦力外通告は、単なる選手整理なのか。それとも中日のチーム作りが新たな方向へ切り替わる兆しなのか。知野まで加わり、戦力外通告は3日間で9人に達した。次期監督の名前だけでなく、球団が今後どんな編成方針を示すのかにも注目したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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