プライベートの飲み会で「俺がまとめて払っておくよ」…“クレカ払いで領収書をひとり占めする友人”にモヤる自分はせこいのか?FPが明かす「友情の値段」とは

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【FPの助言②】そもそも「病気や年金の世間話飲み会」は経費で落ちるのか?

 さらに山口さんは、税務上の問題も指摘する。そもそも、他愛のない昔話や健康談義の飲み会代が、正当な経費として認められるのだろうか。

「もちろんプライベートの飲み会を経費で計上するのはNGです。そもそも、個人事業主や法人が飲食代を経費(会議費や交際費)にする場合、領収書の裏には必ず『誰と、どのような仕事の目的で会食したのか』を記録しておくのが原則です。税務調査が入った際に『この日の会合は誰と何の打ち合わせですか?具体的にどんな売上や事業につながったのですか?』と確認されます。その際に事業との関連性を説明できなければ、経費として認められません」

 世間では「自営業者は何でもかんでも領収書をもらって経費で落としている」と思われがちだが、まともなフリーランスや経営者ほど、私的な飲食の領収書など最初から経費に入れない傾向にあると山口さんは指摘する。会社員の友人から気を利かせて「自営業だから落とせるでしょ」とレシートを渡されても、私的な飲み代を経費に計上するリスクを理解しているから、慎重に対応している事業主も多いだろう。

 仮に、私的な飲み代を安易に交際費として計上するようなことがあれば、それは税務上きわめて危うい処理といえる。

「税務署に不正が発覚するきっかけとして、周囲の人からの情報提供が契機になるケースもあります。もし税務調査が入り、意図的な仮装・隠蔽と判断された場合は、通常5年である更正・決定の期間が最大7年にまでさかのぼって延長されることがあり、重加算税や延滞税といった追徴課税を受けるリスクもあります」

 どんな費用が経費として認められるかは、付き合いのある税理士に確認しておきたい。

【FPの処方箋】モヤモヤを吹き飛ばす「大人のスマートな切り返し」

 目の前で当たり前のように領収書を独り占めされ、モヤモヤしてしまう場合はどう切り出すのが正解なのだろうか。山口さんが提案するのは、相手を責め立てるのではなく、自分側の都合としてスマートに領収書の分割を求めるテクニックだ。

「もし自分も個人事業や副業をしていれば、自分の支払った分だけの領収書を別で切ってもらえばいいのです、『幹事役ありがとう。自分の会費分は別に領収書をもらいたい。支払いはあなたのクレジットカードでいいから』と笑顔で釘をさしてみては? そして、もらった領収書は、経費にできないのなら使わなければいいのです。経費として使えるかどうかは税理士の先生に相談してみて」

 クレジットカードのポイント率は、一般的には0.5%。合計2万円の飲み会なら数百円相当で、幹事役の手間を考えると大きな得にはならない。どうしても気になるようなら、「いつも幹事をやってもらって悪いから、次回からは順番で持ち回りにしようか」と当番制を提案すれば、自然とモヤモヤも解消していく。

「他人の領収書テクが気になってしょうがないなら、自分も副業を始めて経費を計上する立場になってみる。もちろん正当な経費ですよ。飲み会代のクレカのポイント還元が気になるなら、幹事をやってみる。当事者になってみると、『手間がかかるわりにトクしないな』と思うかもしれないし、意外と自分もお得ワザにハマるかもしれない。いずれにせよモヤモヤしながら傍観するよりいろいろ割り切れて精神的に健康的ですよ」

※プライバシー保護のため、記事中の事例は、具体的な状況の一部を変更しています。また、本記事における「経費計上の疑い」に関する記述は、登場人物の推測に基づくものであり、特定の個人が実際に不正な経費計上や脱税を行った事実を示すものではありません。

今回のアドバイザー/山口京子(やまぐち・きょうこ)さん
1966年名古屋生まれ。金城学院大学卒業。大学在学中から、テレビ・ラジオに出演。2000年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。のべ2,500組以上の家計相談を受け、お金と人生の悩みを解決に向けてサポートしてきた。また、家計管理、貯蓄・資産運用のプロとして、金融庁、証券業協会、東京証券取引所の講演会にも出演。2024年には、「KOKUSAIには愛があるプロジェクト in あいち」のメインキャラクターに。『お金も人生も薔薇色!老後計画』(主婦と生活社)など著書多数。

取材・文/鷺島鈴香

デイリー新潮編集部

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