プライベートの飲み会で「俺がまとめて払っておくよ」…“クレカ払いで領収書をひとり占めする友人”にモヤる自分はせこいのか?FPが明かす「友情の値段」とは

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 友人との楽しい飲み会、会計の瞬間にふと微妙な空気になることがある。「プライベートなのに領収書をもらう奴が現れる」問題だ――。果たして彼はどのくらい得をしているのか。そして、その不公平感にざわつく胸の内にどう対処すべきなのか。FPの山口京子さんが、領収書にまつわるモヤモヤをズバリ解き明かす。

【Case】「近況報告の飲み会」なのに領収書!? 同級生との飲み会で芽生えた違和感

 大手メーカーに定年まで勤め、現在は再雇用で働いている信幸さん(64歳・仮名)は、元同級生との飲み会で、釈然としない思いを味わった。集まったのは、大学時代に同じサークルで苦楽を共にした同期の仲間たち。すでに完全リタイアした者、再雇用された者など境遇は様々だが、そのうちの1人、幹事役は退職後にコンサルティング業を立ち上げ、個人事業主として活動していた。

 久しぶりの再会に飲み会は大いに盛り上がった。話題はもっぱら「持病が悪化した」「健康診断の数値が引っかかった」という病気の話や、「年金はいつから受給するのがトクか」といった他愛のない世間話ばかりだった。

 宴が終わり、会計は4人で合計2万円、1人あたり5000円となった。全員が現金を出し合ってテーブルの上に並べたとき、幹事が素早く現金を回収し、自分のクレジットカードを店員に差し出しながら「領収書ください」と頼んだのだ。

 会社員時代であれば、「幹事役、ありがたいな」と気にも留めなかったかもしれない。だが、自身も退職後に個人事業主として働こうと考えていた信幸さんは、ふとある疑念に囚われた。

「あいつは俺たちが払った分も含め、2万円全額を経費にして浮かせようとしているのではないか。おまけにクレカのポイントまで総取りだ。それってずるくないか……!?」

 もちろんこれは、あくまで信幸さんの頭に浮かんだ推測にすぎず、幹事が実際にどのような経理処理をしたかはわからない。ともあれ、細かいお金の話で楽しい雰囲気に水を差すわけにもいかず、信幸さんは割り切れない思いを抱えたまま帰宅することになった。

【FPの助言①】「領収書で丸儲け」は大いなる誤解

「会社員からしてみると、『あの領収書を経費として落とせば、会費2万円が丸々懐に戻ってくる』と思ってしまうかもしれませんね。ただ、個人事業主の場合はそうではありません」と話すのはFPの山口京子さんだ。

 個人事業主にとって経費とは、会社の精算のような「領収書を出せばその金額がまるごと支給される」というものではない。あくまでも、年間の売上(収入)から経費を差し引き、課税対象となる所得を小さくすることで、結果として納める所得税や住民税を安くなるにすぎないのだ。

 例えば、信幸さんが経費2万円を計上したとして、実際に浮く金額はいくらになるのか。山口さんは次のように解説する。

「仮にその個人事業主が、様々な節税策を駆使していて、所得税率が最低の5%だったとしましょう。住民税率は一律10%ですから、税率は計15%になります。浮く税金は『2万円×15パーセント』で3000円です」

 その上で山口さんは、「いずれにせよ、信幸さんのお友だちは、『あいつ、全員分の領収書を独り占めしてせこいな』と思われるリスクを背負いながら、数千円程度の税金を浮かせたにすぎないわけです」と指摘する。

次ページ:【FPの助言②】そもそも「病気や年金の世間話飲み会」は経費で落ちるのか?

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