「運動音痴にとって、体育の授業は『公開処刑』」 運動嫌いを生みだす日本の教育の問題点

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スポーツ庁の間違い

 マラソンブームで大会に出場する人たちが増えたとはいえ、誰しもが2時間台でのゴールを目指すわけではない。仲間と一緒に走る喜び、自分のペースで走って景色の変化を味わう楽しさ、人それぞれの価値基準があるはずである。

「いろんな基準を知ると、からだへの向き合い方も変わってくる。私は、学生たちが先生になった時にそういうことを子どもたちに伝えてほしい。それがいわゆる体育嫌い、スポーツ嫌いを少しでも減らしていくことにつながるのではないかと考えています」

 2017年にスポーツ庁が策定した「第2期スポーツ基本計画」において「スポーツ嫌いの中学生を半減させる」という目標を掲げたことが波紋を呼んだ。前年の調査で「スポーツ嫌い」の中学生が16.4%に及び、これを5年で半減させようとしたのだ(ちなみにこの目標は達成できなかった)。

「ああいうのは、やはり間違っていると思います。そもそも、好き嫌いの感情は他人がコントロールできるものではありません。ただし、国語ではひらがなや漢字を習い、算数では足し算引き算を習う。でも、ひらがなや漢字、足し算引き算について好き嫌いは問題にされません。なぜなら、それらが生活に大事なものだとわかっているからです。そして、生活していくために必要なからだのあり方や使い方を知り、身につけていくのも、それらと同じくらい大事なこと。本来は好き嫌いという話ではないはずです。それを体育が伝えきれていないのが、自戒を込めて言いますけれど、残念なことだと思っています」

 では、「運動嫌い」になってしまった人はそのまま「嫌い」でもいいのだろうか。「スポーツの日」を迎えるに当たって「運動嫌い」の人へのアドバイスももらった。

「スポーツは別に、やりたくない人はやらないでいいし、観たくない人は観なくてもいいと思います。ただ、やっぱり自分のからだはとても大事なものです。ストレッチなどがわかりやすいと思いますが、1日たった3分でも自分でからだをほぐしたり動かしたりすれば、疲れの取れ方とか睡眠の質とかも本当に変わります。少しでも自分のからだに目を向けて、心地よい感覚を探してもらえればと思います」

デイリー新潮編集部

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