「優しいパパ」が不倫に走るまで 妻とはデキ婚、結婚をためらったが…築いた3人の子との幸せな日常
良かれと思って従姉妹と引き合わせたら…
妊娠がわかってから婚姻届を出した。いつか、その順番を子どもに指摘されたらどうすると彼が言うと、美結さんは「どうして? 正しい順番でしょ。あなたがいたから届を出したと堂々と言えばいい」とあっさり言った。
「彼女は強いなあと驚きました。女性のたくましさを感じた。こうやって男は尻に敷かれていくんだろうなとも思いました。うちの両親がそうだったから。まあ、でもそのほうがうまくいくとも聞いていたし、それでいいんだと自分に言い聞かせました。たぶん、結婚というものに一直線に素直でいられない何かが僕の中にあったんでしょうね」
そのころちょうど母方の従姉妹が3度目の離婚をしたと聞いたばかりだった。この従姉妹は3人の子がいるのだが、すべて父親が違うというつわもの。親戚からは総スカンをくらっていたが、彼女自身はいつも「私の人生は私が決める」と言い切っていた。生活力もあるので、誰にも文句は言わせないという強さがあった。
「僕はなぜか彼女とは仲がよくて、ときどき会ったりしていたんです。結婚しようと決めたときも彼女に会いに行きました。美結とも気が合うんじゃないかと思って、結婚してから家に来てもらったけど、そこは僕の当てが外れた。美結は彼女が帰ってから、『私は自分が常識的な人間だと再確認したわ』と言ってました。意外でしたね。美結なら彼女をおもしろがってくれると思ったんですが……。合わない、理解しあえないところもあるから、今後の結婚生活でも気をつけようと思った瞬間でした」
伝わってくる“良きパパっぷり”
なぜか結婚に妙に慎重だった自分を振り返って、「どうしてかなあ。両親がことさら険悪だったわけでもないし……。ただ、子どものころからこの世では誰のことも100%は信じられないと思っていましたね。懐疑的な嫌な子だったと思う」と彼はつぶやいた。そんな気持ちが「結婚」という「くくられるもの」「取り込まれるもの」への不安になっていたのかもしれない。
ただ、いざ結婚生活を始めてみたら、そんな彼の心配は杞憂となった。美結さんの体調の変化、新居での日常は忙しすぎたのだ。いろいろ考えるより、現実に対処することに時間を取られていく。
「子どもが生まれてようやくホッと一息つきました。丸々太った男の子で、退院してからもほとんど夜泣きもせず、ただひたすらミルクを飲んで寝て、起きて笑ってミルクを飲んで寝て。コイツ、大丈夫かと思うほど動物チックな子でした。彼は今でもとても単純でかわいいヤツです」
[2/3ページ]

