頭に当たり脳挫傷、背中に無数の黒い痣…真っ暗闇に“新幹線の速さ”で噴石が降り注いだ「御嶽山噴火」 生死を分けた一瞬の判断

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階段に救われた命

 50代男性は、山の南側にいた。11時52分、左手に灰色の噴煙が上がるのを目撃する。

「左手ということは、西側。そこで慌てて、東側に走りました。運よく近くに山小屋があったものの、ドアが開かなかった。仕方なく東側に回り込むと、木製の階段を発見。その下に潜り込みました」

 男女合わせ7人ほどが階段下に避難したそうだが、

「熱風が来て真っ暗になりました。と同時に、空から噴石がバラバラ落ちて来るのが分かった。周囲は真っ暗。息苦しくて口を手で押さえるのが精一杯で、ザックで頭を隠す余裕もありませんでした。しかし、階段の下に隠れたおかげで、全員無事でした」

 外が明るくなって、バルコニーを見ると、驚くべき光景が目に入ったという。

「噴石が当たって、木の手すりは砕け散っていた。さらに下を見ると、胴体が灰まみれの遺体が2体横たわっていました。そこには、庇(ひさし)などの遮蔽物がなく、噴石が直撃したようでした」(同)

リュックを盾にして身を屈めた

 身を隠す山小屋も岩場もなかった60代男性の場合は、

「噴煙に巻き込まれてから直ぐ登山リュックを火口側に向け、それを盾に右半身が全て収まるようにして地面に身を屈めていました。リュックは登山用で、高さ70cm、幅は30cmほど。中には着替えなど、荷物が8kgほど詰まっていた。背中部分には、プラスチックの板が入っています。バチバチと噴石が当たる音がしたものの、おかげで右半身は無事。噴石から隠すことのできなかった左肩甲骨を骨折してしまいましたが」

 先の大竹氏は、こう警鐘を鳴らす。

「噴火に直面した場合、まずは、火口近くから逃げること。逃げ切れず、視界も悪い場合は、物陰に隠れることが重要です。そして何より大事なのは、今回のような事態が自然界では起こり得る、という心構えをもって山に登ること。そうすれば、自分が登る山の情報を事前に調べたり、ヘルメットを持って行くといった準備も怠らないでしょう」

デイリー新潮編集部

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