頭に当たり脳挫傷、背中に無数の黒い痣…真っ暗闇に“新幹線の速さ”で噴石が降り注いだ「御嶽山噴火」 生死を分けた一瞬の判断
後頭部にソフトボール大の噴石
検視を行った奥村佐(たすく)医師によれば、
「私が診たご遺体は、主に背中に無数の黒い痣ができていました。大きさは小石くらいでした。それ以外に、アイロンを押し付けられたような火傷を脚のあたりにしていた方もいた。恐らく、熱を帯びた噴石が掠ったか、熱風によって温度が上がった場所に長時間皮膚が触れていたのでしょう。一番激しい傷は、太ももにありました。鋭利な噴石が当たったらしく、太ももは抉れ、筋肉が露出し、骨が見えそうなくらい深い傷を負っていました」
さらに酷いダメージを受けたケースもあって、
「後頭部にソフトボール大の噴石が当たったためと思われる、陥没骨折をしていた人。眼のあたりに噴石が直撃して、半分くらい顔の形がはっきりしない方もいました」
噴石は新幹線の速度で降り注ぐ
死者の約7割が頂上付近で発見された。元地震予知連会長の大竹政和氏(東北大名誉教授)によれば、
「噴石は、落下する際、空気抵抗を加味しても時速340~350kmくらい出ることもあります。報道を見る限り、今回も300km以上は出ているでしょう。また噴石1ccは、重さ3g。拳大くらいの噴石の場合、重さは約1kgになる。硬さは、河原に落ちている石と同じと考えればよい。それが、新幹線くらいのスピードで雨のように降り注ぐわけですから、避けることはまず不可能です。まともに当たれば、小さな噴石でも十分致命傷になります」
噴石を浴びながら生き延びた登山客もいる。御嶽山が噴火したのは午前11時52分。頂上から約1kmの地点にある避難小屋、その代表者が証言する。
「噴火直後、登山客は頂上付近からこの山小屋に避難してきた。12時10分までの間に50名ほどは来たでしょう。噴石でケガした人がたくさんいました。ただし、噴石で足を骨折するなど身動きが取れなくなり、山小屋に避難できない人もいた。その後、12時15分くらいから噴煙が立ち込め、30~40分間、辺りは真っ暗になりました。この間、噴石が大量に降り注いだ。山小屋にいた我々は無事でしたが、逃げ遅れた人が亡くなったというわけです」
[2/3ページ]


