真夏のイタリアの大規模断水を笑えない…「当たり前に水が出るニッポン」がもうすぐ終わる可能性
インフラの維持は困難になるばかり
人口が減ると、水道管の維持は2つの側面から困難になる。1つには、水道管をとおして水を供給する顧客の数が減少することだ。すでに国内の水需要は2000年をピークに減少している。渇水時のことなどを考えるとよいことに思えるかもしれないが、使用量が減少すれば、水道事業者(原則として市町村などの地方自治体)の収入が減る。それはすなわち、水道管の交換がさらに遅れることを意味する。もう1つは税収減である。水道の維持に必要な費用の確保が、二重に困難になるということだ。
水道事業に従事する職員も確保しにくくなる。すでに水道事業に従事する技術系の職員は、ピーク時にくらべて4割ほど減っているうえ、4割以上が50歳以上だという。とりわけ小さな自治体では、こうした専門職員の不足が顕著になっており、水道事業の持続可能性そのものが不安視されている。
そんなこんなで現在、全国の水道事業の23%が赤字で、税金を投入しなければ赤字になっている事業を加えると6割を超える。そこで現在、原則として市町村ごとに置かれていた水道事業体の数を、統合や広域化によって減らし、市町村の枠を超えて広域にわたる連携が進められつつある。
それは必要なことだろう。しかし問題は、老朽化が進むインフラは水道管だけではないことにある。国交省の作業部会の試算によれば、下水道、河川やダム、砂防などを加えた同省所管の12分野の施設で、維持管理と更新に要する費用は、2048年度までの30年間に176兆5000億~194兆6000億円とされている。しかも、この金額には、厚生労働省が所管する上水道のほか、鉄道会社、高速道路会社の施設は含まれていない。
私たちの日々の生活に欠かせないインフラを維持するだけで、どれだけの巨費を要することか。少子化が進むなかで、それをどうやって工面したらいいのか。考えるほど絶望的にならざるをえないが、減税などしている場合ではないことだけはまちがいない。
猛暑日に、酷暑日に、あるいは極寒の日に、全国のあちこちで水道が断水してしまう――。そんな日が日本でも当たり前になる日は、そう遠くないように思える。
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