セ・リーグ優勝争いの鍵握るDeNA “CS新ルール”は阪神に追い風か逆風か
2024年の“下克上”がルール変更の背景に
この新ルールを考えるうえで、どうしても避けて通れないのが2024年のDeNAの戦績だ。
2024年、DeNAはレギュラーシーズンを3位で終えた。対する巨人は77勝59敗7分、勝率5割6分6厘でリーグ優勝。阪神は74勝63敗6分の2位、DeNAは71勝69敗3分の3位だった。
ところが、CSに入ると状況が一変する。
DeNAはファーストステージで2位阪神を2連勝で撃破。続くファイナルステージではリーグ優勝の巨人を相手に3連勝し、一気に王手をかけた。巨人はそこから2勝を返したものの、最終的にはDeNAが突破。日本シリーズでもソフトバンクを4勝2敗で破り、26年ぶり3度目の日本一に輝いた。
リーグ優勝球団がCSで敗れ、3位球団が日本一にまで駆け上がる――。この“下克上”が、CSという制度そのものについて改めて議論を呼び起こしたのだ。
むろん“2024年のDeNA日本一”だけが、ルール改正の引き金になったわけではないが、いずれにしても現在のCSを考えるうえで象徴的な出来事であったことは間違いない。
とにもかくにも、今年から一定の条件でリーグ優勝球団のアドバンテージを1勝から2勝へ増やす新制度が導入された。そして、その制度変更が今まさに阪神と巨人の優勝争いに影を落としている。
9月25日からの横浜2連戦の意味
阪神は9月25日から横浜スタジアムでDeNAと2連戦を戦う。阪神からすれば、優勝争いの終盤に残されたDeNA戦。今季の対戦成績は12勝10敗と、決して安心できる数字ではない上に、相手は“5割”という明確な目標を持っている。逆にDeNAにとっては、この2連戦で1勝すること、あわよくば2勝することで、CSにおける自分たちの立場を有利にできる可能性が高まる。
ガチンコで迎え撃ってくるDeNAの“必死さ”は、阪神にとって鬱陶しい以外の何物でもないだろう。
10月に入ると風向きが一転?
そして、この話は“最終盤”になると面白みが増してくる。
巨人と阪神には、それぞれDeNAとのレギュラーシーズン最終戦が残されている。巨人は10月3日に東京ドームで、阪神は翌4日に横浜スタジアムで、DeNAとの対戦が予定されている。
実は、ここから先は“新ルールが阪神に逆風”と単純には言えなくなるのだ。
ポイントは、DeNAがいつ“5割”にカタを付けるかである。仮に10月2日までにDeNAの5割以上が確定していたとする。そうなれば、3日の巨人戦も、4日の阪神戦も、“5割を確保するための試合”ではなくなり、DeNAにとってはレギュラーシーズン最後の調整試合、つまり“消化試合”という位置づけに変わる。
ところが、10月3日の時点でも5割以上なのか、5割未満なのかが確定していなかったらどうなるか。この時点で優勝チームが決まっている場合は後述するが、阪神と巨人のV争いがもつれていたら両軍とも一戦必勝態勢となっている。そしてまず巨人が、その“ガチンコのDeNA”と戦わなければならない。DeNAも勝つのに遮二無二となるはずだ。巨人にとっては、まったくありがたくない相手である。
むろん10月3日の試合で“5割問題”が決着しなければ、翌4日に阪神がそのバトンを受け取ることになる。つまり、阪神もまた“必死のDeNA”と対戦することになる。
ただし、ここには一つ重要な違いがある。阪神は巨人の翌日に戦う。前日の巨人戦でDeNAの5割問題に決着がつく可能性があるのだ。決着してしまえば、翌日の阪神戦はDeNAにとって消化試合となる。
つまり10月になると、台風一過のごとく、阪神にとって“逆風”だった新ルールが“追い風”に転じるのである。
[2/3ページ]

