そもそも欲しくない観客も多いんじゃ…人気映画「特典グッズ」の“転売”が相次ぐウラ事情 「フリマサイトで売れば映画が実質タダで見られる」の声

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特典だけ受け取って会場を出る

 その一方で、A氏は「自分が特典をすぐ売っているくせに、こう言うのもなんですが」と前置きしつつ、特典商法に警鐘を鳴らす。というのも、特典だけ受け取ってすぐに会場を出る人や、映画の最中にいびきをかきながら寝ている人などが目に付くようになったためだという。「特典だけが目当ての客が多い」と指摘し、このように話す。

「2020年以降、アニメ映画が興収数十億円、場合によっては100億円を超える例が続出していますが、明らかに特典商法のおかげだと思う。もはや映画館の入場料がグッズ代みたいなものになっている。特典商法が今ほど盛んではなかった時代の映画と比べて、今の映画が優れているかというと、そうとは思えません。

 配給会社や映画館も生き残りをかけて頑張っているのはわかります。しかし、グッズで釣る商法はちょっとやり過ぎな気がします。まだ同じ特典を配布するならわかるのですが、何種類もある特典をランダムで配布するのはどうかと思いますし、それこそ、転売屋がはびこる原因にもなっているのではないでしょうか」

 実際、映画館にとってもグッズは保管が面倒なうえ、配布行為がスタッフの負担になっているという意見もある。昨今は回転寿司チェーン店で、従業員が特典のグッズを横領してフリマサイトに出品していたことが発覚、企業側が謝罪するという問題に発展している。映画界も過度に特典に依存しすぎると、同様の問題が起こりかねないのではないだろうか。

ポストカードの特典は「手抜き」「紙切れ」なのか

 さて、「劇場版 魔法少女まどかマギカ〈ワルプルギスの廻天〉」の第4弾の来場者特典が9月15日にXで発表された。キャラクター原案・蒼樹うめによる最新ビジュアルを使用した「特製ポストカード」に決まり、19日から配布されるのだという。ところが、この特典に対して、一部のSNS民が苦情を書き込む事態に発展している。

 Xには、「手抜きの特典」「散々延期しといて限定描き下ろしでもない全員集合でもない紙切れで集客」「これ目当てに誰か行く人いる?」「さすがにやる気なさすぎませんか?」「さようなら(興行収入)30億円への道のり」「興行収入をリピーター頼みにしているのなら、来場者特典は豪華にしていかないと客足伸びませんよ」などと書き込まれている。

 筆者はポストカードでも十分だと思うのだが、決して少なくない量の苦情が書き込まれていることから、現在のアニメ映画がいかに特典頼みで集客しているのかを実感してしまった。もちろん、苦情に対抗して「映画館に何をしに行ってるの? この特典すっごい良いと思うんだけど」と書き込む純粋なファンがいたことも、記しておきたい。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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