「周囲のアドバイスを聞くタイプではない」阪神・藤川監督 こだわり過ぎる選手起用と“上から目線”にOBは「もっと肩の力を抜いたら」
発言もどこか他人事
頑固と評される性格は、選手起用にも垣間見える。9月は3勝8敗と大きく失速しているが、30打席以上無安打が続くなど打撃不振の坂本誠志郎が11試合のうち8試合で先発マスクをかぶっている。
不調の打者に好機で打席が回ってくるから野球は興味深い。13日の中日戦(甲子園)で0-0の9回二死満塁の好機で坂本に打席が回ってきたが右飛に倒れた。捕手は伏見寅威、梅野隆太郎がベンチで残っている。延長戦の末に0-1で敗れ、SNS上では「なぜ、代打を出さないのか」と消極的な采配に批判の声が殺到する事態になったが、指揮官は「いろいろあるでしょうね。選手がその打席にかけるところですから。勝負の中ですからね。そのあとの守りもあるし、攻撃とは言いますけれども、これは勝負の中の一つですから」とコメントした。
「坂本がマスクをかぶって9回まで中日打線を無失点に抑えていたので、捕手を代えることでその流れを壊したくない思いがあったのかもしれません。個人的には采配ミスと責められるのは酷な気がしますが、問題は伝え方ですよね。プライドの高さがにじみ出て『上から目線』に聞こえてしまう。優勝争いの最終盤にチームがどん底と言える状況で、藤川監督に批判の声が集中しているのは采配面だけが原因でないと思います。死球を受けた際にベンチを飛び出してコーチを引き連れて声を張り上げ、阪神の投手が相手打者に死球を与えた時はダンマリしている。相手球団の首脳陣が『自分たちだけ被害者みたいな態度はやめてほしい』と怒りを露わにした時がありました。こういう態度は損しますし、発言もどこか他人事に聞こえる。他球団だけでなく、阪神ファンからも批判の声が高まっているのが気になりますね」(スポーツ紙の遊軍記者)
工藤監督の先例
結果がすべての世界で、監督は孤独だ。だが、相手を思いやる柔軟な姿勢や周囲の助言に耳を傾ける謙虚さを持てば、窮地に陥った時に周りの見方が変わってくる。福岡のテレビ関係者は、有名監督の例を出す。
「工藤公康さんはソフトバンクで監督を務めた際に3度のリーグ優勝、5度の日本一に導いた名将ですが、最初は物言いがきつかったんです。選手の心が一時離れていきましたが、そこで自身の落ち度を認めて真摯に対応するようになってチーム全体の絆が強固になりました。メディアの取材に対しても戦術面での詳細について質問が及ぶと、『ごめんなさい、そこは話せないんですよね』と丁寧に対応していた姿が印象的でした」
工藤氏がソフトバンクの監督を務めていた時は他球団を圧倒する戦力で「優勝して当たり前」と揶揄する声があったが、的確な采配とチームマネジメントによって競り合いを抜け出したシーズンも少なくない。阪神も今年は戦前の下馬評で圧倒的優位と目されていたが、巨人の猛追を受けて熾烈な首位争いとなっている。球団史上初のリーグ連覇へ。藤川監督の技量が試されている。
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