「キャバ嬢始球式」当日中止騒動 ヤクルトにはどぎつかった?マニアが惜しむ“なんでもあり”の醍醐味 「不思議な投球が忘れられない」ブレイク直前だった“朝ドラ女優”とは

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「なんでもあり」こそ始球式の面白さ

 とはいえ、宝泉氏自身は、今回の中止を残念に感じているそうだ。

「僕はやってほしかったですね。始球式マニアとしては、こういうものこそ見たいんです」

 プロ野球の始球式といえば、人気俳優やトップアスリートの登場を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、そんなビッグネームが起用されるのは開幕戦や土日、祝日などが中心で、それ以外の試合では意外な人選も少なくないという。

「2.5次元俳優や、メジャーではないK-POPアイドル、企業の社長や株主、政治家にYouTuber……『なぜこの人が』『そもそも誰?』といった謎のキャスティングもあります。でも、それが楽しい。野球はあらゆるものを内包できる大衆文化。多少の場違い感やハプニングも含めて楽しめばいいのにと心から思いますね。そういった意味では、夜職の方々がマウンドに上がるのも、面白い企画ではありました」

 そもそも、どこまで「清廉性」を求めるのか、という問題も。過去の始球式では、2013年に壇蜜がスクール水着風の衣装で、また2010年には売り出し中の菜々緒が大胆なピンクのビキニ姿で登場したこともあった。海外に目を向ければ、元セクシー女優の三上悠亜が2023年、台湾プロ野球のマウンドに立ったことも……。

「もちろん最低限の節度は必要ですが、始球式はもっと自由でいいと思います。むしろ今回の件が前例となって、『この人は炎上しそうだからやめよう』と他球団まで萎縮するほうが問題。始球式の自由度が狭まり、キャンセルカルチャーが始まってはいけません」

浜辺美波が生んだ“不思議な空間”

 そもそも始球式の魅力は、完璧な人選や投球にあるのではないと宝泉氏はいう。石原さとみは2014年から6年連続で往年の名投手のフォームを再現し喝采を浴びた。2019年の鈴木奈々はなかなか投球せず、試合開始を遅らせたとして炎上した。2021年には女優の鳴海唯が本塁とは反対方向を向き、さらにボールを持たずに投げようとして話題になった。

 宝泉氏が特に気に入っているのが、2019年にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ対楽天戦での始球式だ。ブレイク前、当時まだ18歳だった浜辺美波が登場している。

「まだ朝ドラ『らんまん』に出演する前で、“誰?”という反応も起きました。ハイネックに長袖、スカートの下にはスパッツという地味な服装の少女が、微妙なボールを投げる。実況アナも“これはまた、おしとやかな……”などと言葉を失っていた記憶があります。ただただ浜辺の美しさが圧倒的で、異世界感というか、なんともいえない不思議な空気でしたね」

 始球式マニアをよろこばせたのは意外な一幕だったようだ。

「めちゃくちゃな部分やハプニング性も含めて、始球式は面白い。まずやってみて『アレひどかったね』ってなればいい。事前に炎上を防ぐ世の中じゃつまらないので、今回の中止はマニア的には非常に残念な決断でした」

 球団のイメージを守ることと、始球式ならではの自由さをどこまで両立できるのか。今回の中止は、今後のキャスティングにも影響を与えそうだ。

デイリー新潮編集部

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