セ首位争い激化のウラで「佐藤輝明」メジャー挑戦はどうなる? 破格オファーの声も本人と球団が“沈黙”を貫く理由

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単年契約の意味

 もっとも理想的な佐藤の米球界挑戦は、チームを球団史上初のリーグ連覇、日本一に導き、ファンが応援する形で送り出されること。ペナントレースの最終盤に差し掛かり、2位巨人と僅差での首位争いが続いていることから、“沈黙”にも合点がいく。しかし、こんな意見も聞かれた。

「今さらですが、佐藤の今季の契約内容が取り沙汰されています。キャンプイン前日の1月30日にサインし、『推定4億5000万円プラス出来高5000万円、単年契約』と伝えられました。この『単年』はどういう意味なのか、と」(在阪TV局員)

 プロ野球選手は1年ごとの契約であり、その年の成績によって次年度の年俸が決まる厳しい世界だ。近年ではFA移籍による複数年契約も定着しているが、そのFA権取得前の選手に対する「単年契約」が報じられたことで、さまざまな憶測も呼んでいる。

「ホワイトソックスの村上宗隆(26)は、三冠王になった22年のオフに東京ヤクルトから3年契約が提示され、その契約期間が切れた昨年オフにポスティングシステムに掛けられました」(スポーツ紙記者)

 順調に行けば、佐藤は29年オフに海外FA権を取得するが、すでに30歳となっている。それまでの間、佐藤と阪神球団はオフを迎える度にポスティングシステムで米球界に挑戦する時期について話し合うのだろうか。海外FA権を取得した上での米球界挑戦であれば“球団との衝突”はない。だが、佐藤はメジャー球団との大型契約も予想されるだけに、海外FA権での移籍となれば球団には何も残らない。損得勘定だけで考えれば、海外FA権を取得するギリギリまで佐藤にはチームに貢献してもらい、29年シーズンを迎える前の28年オフにポスティングシステムに掛ければ、巨額な譲渡金が得られる。

「28年オフまで待てないとなれば、国内FA権を利用する方法も考えられます。佐藤は来季、国内FAを取得します。そこでメジャーリーグ挑戦に理解のあるNPB球団に今オフに移籍すれば、事態は変わるかもしれません。楽天の辰己涼介(29)が同じ狙いで昨年オフに国内FA権を行使しましたが、他11球団からのオファーはありませんでした。でも、佐藤であれば阪神の強力打線の力を削ぐ意味合いもあって検討する球団も出てくるのでは」(前出・同)

 佐藤はチームが失速した9月に入っても、気を吐いている。9月のチーム打率は2割1厘、総本塁打8と厳しい状況が続くなか、打率2割7分8厘、本塁打5と高い数値を残しており、来季も阪神でプレーするとなれば、年俸は8億円にも膨れ上がるだろう。そうなると、海外FA権取得までの29年シーズンまで「球団は払い続けることができるのか」といった疑問も生じてくる。「4番佐藤」の喪失は大打撃だが、ポスティングシステムに掛けられる時期は前倒しされるのではないだろうか。

鈴木誠也の“前例”

「8月19日の東京ヤクルト戦で、カンザスシティ・ロイヤルズのJ.J.ピコロGM兼副社長、レネイ・フランシスコ副社長ら、トップ級幹部4人が堂々とバックネット裏に陣取っていました。佐藤の視察は今に始まったことではありませんが、球団幹部がわざわざ来日するということは本気で獲得を目指すつもりなのでは」(前出・在阪記者)

 今オフの米球界挑戦に悲観的な理由として挙げられたロックアウトの可能性だが、労使協定の話し合いが行われた21年オフに、鈴木誠也(32)がポスティングシステムに掛けられた。直後にMLBはロックアウトに突入し、45日間と限られた交渉期間のなかで労使協定の話し合いが重なるのはマイナスでしかなかったが、オンラインを使ってシカゴ・カブスとの契約をまとめてみせた。前例があるだけに「今オフは見送り」と決めつけるのはまだ早いのだ。

 優勝争いの佳境にある今はポスティングシステムの話し合いをすべきではないが、メジャーリーグにおける佐藤の評価は上がり続けている。

デイリー新潮編集部

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