トランプ氏「公私混同」が極限に…戦争で金儲け、国民に77万円バラマキ発言、他国への放言 共和党も匙を投げた「裸の王様」が中間選挙で最大の懸念要素
民主党の法案を“人質”にする
党大会で支持者に奮起を促したトランプ氏だが、中間選挙の敗北に備えた対策も練っているようだ。トランプ氏は10日に放送されたFOXニュースのインタビューで、中間選挙後、自身が反対する民主党の法案を2年間阻止する考えを明らかにした。
中間選挙後に上下両院で民主党が多数派を占め、法案を成立させたとしても、大統領は憲法に基づき、拒否権を発動し、議会に差し戻すことができる。上下両院でそれぞれ3分の2以上の賛成を得られなければ、拒否権を覆せないため、民主党の法案を妨げることができるという理屈だ。
トランプ氏が恐れているのは、民主党による弾劾訴追だ。ワシントンポストは12日、民主党は議会で多数派の地位を取り戻すことを前提に、トランプ氏やその家族らを対象に実効性のある調査の準備を進めていると報じた。
トランプ氏の公私混同ぶりはとどまるところを知らない。最近では、CNBCが9日、トランプ氏が保有する石油・ガス企業9社の株式評価額はイラン戦争勃発前日の2月27日から8月31日までに最大で440万ドル(約6億8000万円)増加したと報じた。米国民の生活を苦しめる戦争でさえカネ儲けの手段にするのだから開いた口が塞がらない。
こうした腐敗ぶりを理由にした弾劾訴追を回避するために、トランプ氏は民主党の法案を人質にとるという魂胆のようだ。
独・英・加に言いたい放題
トランプ氏は外交面でも暴言が目立つようになっている。先日はドイツ州議会選挙での極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」圧勝を絶賛した。これを受けて、ドイツのメルツ首相は、米同時多発攻撃から25年の節目に合わせ予定していたトランプ氏との電話会談を延期した。
トランプ氏の度重なる「口撃」に腹を据えかねたカナダは、米国との「縁切り」も視野に入れ始めている。米紙ウォ-ル・ストリート・ジャーナルは13日、カナダのカーニー首相は欧州連合(EU)との緊密化を望んでおり、EUの準加盟国となる可能性を模索していると報じた。
トランプ氏は13日、北アイルランドが英国から離脱してアイルランド共和国と統一することへの支持を改めて表明するなど、長年にわたり同盟関係にある英国の神経を逆なでする発言もしている。
トランプ氏の傍若無人ぶりに対し、戦後の国際秩序を壊しているとの指摘が出ているほどだ。
共和党内に漂う諦めムード
筆者が注目しているのは、トランプ氏が「裸の王様」化していることだ。
米メディア「アクシオス」は9日、トランプ氏の側近や共和党の有力議員らが、同氏を説得しようとすること自体を諦めていると報じた。
共和党関係者は過去10年間、トランプ氏の直感は自分たちより優れているとして、あらゆる要求を受け入れてきた。だが今では、多くの関係者はもはやトランプ氏の直感を信頼していないのにもかかわらず、何を言っても無駄だと考え、同氏の気まぐれに適当に話を合わせているという。
過去の歴史が示すように、帝国の崩壊は内部から起きるのが通例だ。
歯止めが利かなくなったトランプ氏のせいで、米国が取り返しのつかない痛手を被らないことを祈るばかりだ。
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