片山財務相にとっては「織り込み済み」 “今や私が胴元”発言がターニングポイントに
私に賭けてみればいい
「今や私が胴元だ(I am the house now.)」――。米国のスコット・ベッセント財務長官が9月8日、円売りに走る投機筋をけん制する異例の発言を行った。単なる口先介入なのか。それとも日米の金融・為替政策が本格的な転換点を迎えたことを意味するのか。ベッセント氏の発言の真意と、その先に待ち受ける日本経済への影響を探る。
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テキサス州の南メソジスト大学で開かれたイベントに参加したベッセント氏は8日、日米の通貨当局によって7月31日に実施された円買いの協調介入などについて、ざっと以下のような発言を行った。
・「人々が『財務長官はリスクを取っている』と言うたび、私はこう答える。これは私の夢であり、私には情報の非対称性がある」
・「今や私が胴元だ(I am the house now.)。我々が円に介入するとき、日本側、日本銀行、そして日本の政策立案者がどう動くかについて、かなり明確な見通しを持っている。私に賭けてみればいい」
「the house」はカジノやギャンブルの文脈で胴元(主催者側)を意味する。賭けの場を提供し、確実に利益が出るようにルールを決める側であることをベッセント氏は強調したかったと見られる。
円売りに走りたければどうぞご自由に
「自分たちにはオプションやカードは十分にあり、日本のスタンスを把握している。それでも円売りに走りたければどうぞご自由に……というのがベッセント氏の主張です。財務長官の発言としてはレアなものですが、ヘッジファンド出身で市場において“切った張った”の世界を生きてきたベッセント氏の“地が出た”というところなのかもしれません」
と、経済部デスク。ベッセント氏は8月19日、米長期金利の上昇を抑えるため、米財務省による長期国債の買い戻し(バイバック)の規模を拡大する方針を打ち出した。9月から11月にかけて、1回あたりの最低買い戻し額を従来の20億ドルから40億ドルに引き上げるというもので、市場に対する積極的な介入姿勢との見方も出た。そのベッセント氏が、今度は円売り投機筋に「私に賭けてみろ」と言っているのである。なりふり構わぬ姿勢と見る向きが出ても不思議ではない。
ベッセント氏は8月末のCNBCのインタビューでも、「日本政府と日銀は円高につながる措置を講じると信じている」と発言。さらに9月1日、G20(主要20か国・地域)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後の記者会見では、日本を名指しして「リフレ政策をやめるべきだ」と述べた。
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