横浜・織田翔希も米国へ? 佐々木麟太郎に続き「米大学」を選ぶ高校球児が増えるワケ

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背景にある「NIL」

 前述したイーマンは、エナジックスポーツを運営するエナジックとのスポンサー契約を発表している。佐藤も昨年の日米大学野球で米国代表を相手に好投し、現地での評価は高い。公表されてはいないが、今後大きなスポンサー契約を得る可能性もあるそうだ。

 背景にあるのがNIL(Name, Image and Likeness)である。米国の大学スポーツでは、自身の名前や肖像などを活用した商業契約が認められている。

 日本とは事情が異なる。日本学生野球憲章では、部員であることや学生野球を行うことへの対価として金品を受け取ることは原則として認められていない。

 ただ、米国へ留学すれば誰でも自由にスポンサー収入を得られるわけではない。F-1ビザには就労に制限があり、契約内容や活動場所によって扱いは変わる。

甲子園から米国への流れ

 メリットは金銭面に限らない。前出の指導者は続ける。

「仮に野球でメジャーやNPBのドラフトに指名されるほどのレベルに達することができなくても、ある程度のレベルの大学でプレーしていたとなれば就職の面でもかなり大きなプラスとなります。このあたりは日本の大学も同じですが、加えて語学についても強みになりますよね。野球だけではなくそういった将来のことを考えて米国の大学を選択する学生は増えていくと思います」

 日本人選手を求めているのはMLB球団だけではない。日本人選手の代理人によると、夏の甲子園でのプレーを見た米国の大学から「渡米する意思はないか」と問い合わせを受けるケースが増えているという。

 日本の大学、社会人、NPBだけが高校球児の進路ではなくなりつつある。野球だけでなく、学業や卒業後のキャリアまで考えれば、米国の大学が選択肢に入るのは自然な流れだ。甲子園で活躍した選手がそのまま米国へ向かう。そんなケースは今後さらに増えていくだろう。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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