検察不祥事が相次ぐなか“初の慶応出身”検事総長が誕生 “火消し役”として評価の声も信頼回復は険しい道のりか

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法曹3者トップは寡占状態

 一方、安倍元首相をめぐっては2017年2月、妻の昭恵氏が名誉校長に名を連ねた森友学園に、大阪府豊中市の国有地が格安な値段で売却された問題が表面化。同年5月に加計学園の獣医学部新設に「総理の意向」が影響した疑惑も浮上した。19年5月には「桜を見る会」の私物化や、前夜祭の費用補填の疑惑が相次いで取り沙汰されていた。

 だが安倍首相はこの時期、戦後最長の長期政権を記録。19年8月24日に歴代第2位だった佐藤栄作氏の総理通算在職日数2798日を抜き、11月20日にはトップだった桂太郎氏も抜き去って歴代1位となっており、「安倍一強」と評された。

「それだけに突然の法解釈変更は『政権に近い黒川氏を検察トップに置き“守護神”にしようとしている』と疑う声が噴出したわけです」(同法曹関係者)

 新検事総長となった川原氏は黒川氏の辞職時、法務省刑事局長として国会で9回にわたり答弁に当たり、野党による追及の“矢面”に立った。衆参両院の法務委員会や参院の予算委員会、決算委員会で厳しい質問責めにさらされる姿がNHKの国会中継などで全国に放送されている。

 2020年5月22日の衆院法務委員会では「黒川検事長個人のために手配をされたハイヤーを利用したというものではなく、記者が帰宅するハイヤーに同乗したもの」と弁明。同25日の参院決算委員会では「再調査の必要はない」と反論した。同26日の参院法務委員会でも「黒川氏は事実を認め、認めて深く反省」しているとした上で「懲戒処分ではなく(中略)訓告とした」のは「適正な処分」だと回答し、「検察の組織防衛の盾となった」(同法曹関係者)という経緯がある。

 裁判官と検察官、弁護士の法曹3者のトップ(最高裁長官、検事総長、日弁連会長)は各々、試験合格者数もトップの東京大学が必然的に占めてきた。それぞれを戦後の概数でみると、最高裁長官は1位が東大で16人、2位は京大で4人、3位は一橋大で1人となっており、ほかにはいない。また検事総長も、圧倒的に東大が優位にあり、25人で1位。2位は京大で4人、3位は中央大学で2人、4位は一橋大学と岡山大学が並び各1人となっている。一方で民間の日弁連会長もトップは東大で14人。2位が中大の11人、3位は京大の8人、4位は日本大学で5人、5位は明治大学の3人と「私立大が『官界』と比べれば善戦している」(同法曹関係者)というのが実態だ。

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