“買う側は野放し”の売春防止法は変わるか? 法務省が重い腰を上げた背景に「12歳タイ人少女」に“性的サービス強要”事件の衝撃

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「世界最古の職業」と言われる売春の法規制が今、注目されている。きっかけは2023年、悪質ホストが女性客に法外なツケを支払わせるため、売春を強要する例が全国で相次いだ事実が国会で取り上げられたことだ。ホストクラブが最も集中する東京の新宿・歌舞伎町では、近くの人気コリアタウン・新大久保周辺の公園で女性客による「立ちんぼ」と呼ばれる客待ちが横行し、苛烈な取り立てが社会問題化した。一方で「買う側(客)に罰則がないのはおかしい」とする疑問の声も噴出し、今年8月末、法規制の在り方を議論する法務省の検討会が、買う側にも罰則を設けるべきとする報告書をまとめた。ようやくと言うべきか、動き出した売春防止法改正の背景を探る。

悪質ホストクラブと立ちんぼ

 発端は2023年11月9日の参院内閣委員会。塩村文夏議員が、歌舞伎町など各地で若い女性がホストクラブで支払い能力を超える高額なツケを背負わされ、返済のために個々人が売春を強要されるトラブルが多発していると質問した。塩村氏は都議時代に不妊治療の支援拡充を議会で提言している最中、複数の男性都議から「自分が早く結婚した方がいい」などとヤジを飛ばされたセクハラ被害で話題となり、国政に転じてからも女性の人権保護政策推進に取り組んでいた。売春強要の問題は衆院でも取り上げられ、当時の岸田文雄首相も衆院本会議で異例の言及を行った。

 一方、新宿・歌舞伎町では2020年、キャバクラ嬢や風俗嬢を路上で違法にスカウトする「スカウトグループ」と呼ばれる裏組織と、指定暴力団住吉会とのトラブルから「スカウト狩り」と呼ばれる大乱闘や小競り合いが連続して発生していた。警視庁が歌舞伎町を拠点とする日本最大のスカウトグループ「ナチュラル」と、それに次ぐ規模の「アクセス」の摘発を強化した。その過程でホストクラブと裏でつながり、女性客を違法な風俗店に斡旋して管理売春を行う「ビジネスモデル」が構築されている実態を突き止めた。

 2024年6月には、一時は客待ちの女性たちが数メートルおきに立ち並んでいた、新宿区立大久保公園の周囲を警察庁の所管大臣として、松村祥史国家公安委員長が視察。警視庁では(1)ホストクラブ(2)スカウトグループ(3)「立ちんぼ」行為――の集中摘発に着手した。

 特に巨大スカウトグループに対しては、特殊詐欺や闇バイト強盗とは一線を画する“亜種”のトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と認定し、メンバーを次々と逮捕。アクセスの遠藤和真代表を2024年11月に逮捕するとともに、ナチュラルの小畑寛昭会長を今年1月、潜伏先の奄美大島で逮捕しており、両トップを職業安定法違反(有害業務への職業紹介)などの容疑で再逮捕を繰り返してきた。

 法務省では、警視庁の摘発を契機に警察庁の号令で全国警察に広がった取り締まりの動きも踏まえ今年3月、売春防止法の改正に向けた有識者検討会と位置付けて、売春と買春の規制の在り方を議論する「売買春に係る規制の在り方検討会」を立ち上げた。

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