「悪質なストーカーには、体内にGPSを」 桶川ストーカー殺人事件、被害者の父も現行法の問題点を指摘 「韓国では性犯罪の再犯率は約9分の1に」

国内 社会

  • ブックマーク

ストーカー規制法違反容疑で逮捕されていたにもかかわらず……

 悪質なストーカーが引き起こす凶悪事件が後を絶たない。先ごろ政府は、加害者の動向把握が重要だとしてストーカー規制法の改正を視野に検討を始めた。GPS(全地球測位システム)を装着させて位置情報をキャッチ、被害者への接近を未然に防ぐというものである。

(2026年8月6日に「新潮QUE」で配信した記事をもとに再構成しました)

 ***

 政府は、さる7月28日の犯罪対策閣僚会議で、ストーカー加害者へのGPS装着の検討を含む緊急対策をまとめた。これに先立ち5月には、自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」が、高市早苗首相に緊急提言を手渡していた。全国紙デスクが言う。

「今年3月に東京・池袋のサンシャインシティで、女性が元交際相手の男に刺殺される事件がありました。この男は昨年12月にストーカー規制法違反容疑で逮捕され、翌月に略式起訴されたのち釈放。同法に基づく禁止命令も受けていました。にもかかわらず事件は起きてしまった。こうした経緯を踏まえて緊急提言がなされたのです。提言では、この男が警察から医療機関への受診を勧められながら拒否していたことにも言及。GPS活用とともに、加害者に治療・カウンセリングの受診を義務付けるべきだと呼びかけています」

韓国では約5000人にGPSを装着

 警察庁の統計によれば昨年、ストーカー規制法に基づく禁止命令は3037件と、過去最多を記録。すでに海外ではGPSがストーカー対策に用いられており、

「その好例が韓国です。性犯罪やストーカー行為などで有罪判決を受け、再犯のおそれが高いと判断された人物には、GPS付きの電子足輪の装着が義務付けられている。ストーカーの被害者に接近すると位置情報がアプリで確認できるシステムで、現在は約5000人に装着されているといいます」(前出のデスク)

 2008年のGPS導入後、韓国では性犯罪の再犯率は約9分の1にまで減少したという(ストーカーへの適用は23年から)。

「日本では23年、カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡をきっかけに、保釈中で海外逃亡するおそれのある刑事被告人へのGPS装着を認める刑事訴訟法の改正がなされました。これとは別に、性犯罪者にGPS装着を求める議論もありますが、“人権侵害”との批判もあって実現には至っていません。今回のGPS案の具体化は先々の議論によりますが、当面は対象者が外出時に端末を携行することを義務付ける形も想定されています」(同)

次ページ:「悪質なストーカーには体内に装着させるべき」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。