相次ぐ「概算金ショック」で“コメ大暴落”危機…「離農が加速して、生産量も激減しかねない」新潟のコメ農家が嘆く「国の本音は“足りない分はカリフォルニア米で補う”ではないか」

国内 社会

  • ブックマーク

カリフォルニア米で補填

 コメの価格が安くなれば、消費者にとって朗報なのは間違いない。だが農家にとっては一大事だ。男性は「新潟県だけでなく、全国規模での離農が加速する可能性が高まる」と言う。

「現在のコメ生産量は約700万トンですが、これが490万トンくらいまで落ち込んでも不思議ではないと考えています。生産量が減れば、基本的に販売価格は上がります。価格に不満を覚える消費者も少なくないかもしれませんが、国の本音は『不足分は国産米より安いカリフォルニア米で補填してもらおう』だと想像しています。そもそも日本人はコメを食べなくなっています。朝はパン、昼は麺、夜にご飯を少しだけ、という家庭も珍しくないと思います。コメの需要が、この先大きく伸びる見通しは厳しいかもしれません。おまけに少子高齢化も加速していますから、担い手も減少する一方です。私たち農家の間では、『遠くない未来、外国の資本や外国人が日本国内でコメを生産する時代が来ても不思議ではないね』という話さえ出ています」

 日本でもコメ農家の大規模化が必要だと多くの専門家や識者が指摘するが、平地での大規模化はすでに一定程度は進んでいる。また中山間地での大規模化は物理的な障壁が高く、そのため今後の検討課題になっている。

零細農家は税金で支援すべき

「日本のコメ生産のうち、3割程度は中山間地で行われています。しかし中山間地の水田は傾斜地にあり、物理的に大規模化するのは時間もかかりますし、莫大な予算も必要なので、結局は放棄される可能性があります。また大規模化を進めたとしても、先ほど指摘した担い手不足の問題があります。コメを作る人がいなくなれば、大規模化も絵に描いた餅です。“スマート農業”は農業の自動化を指し、コメ栽培の省人化も議論されていますが、実現したとしても多額の資金と維持費が必要で、相当に大きな農事法人でないと担えないでしょう。仮に最終形態が大規模農家の育成だとしても、現時点で大切なのは現状の生産力をなるべく維持すること、つまり大規模化が厳しい零細農家を支援することだと考えています。国が補助金を出して保護すべきだと私は考えていますが、国民の理解が得られるかどうかは分かりません」(同・男性)

 後編【コメ農家は「本当に追い詰められています」 “コメ離れ”“離農者”が加速して日本人が“外国産コシヒカリ”をほおばる未来…「消費者が5キロ3500円のコメを買えない日本の経済状況が最大の元凶」】では、日本でコメ農家がゼロになり、水田維持のため外資の誘致や、外国人農業者という“移民”が解禁される可能性についてお伝えする──。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。