40万~60万円「赤ちゃんヘルメット」は本当に必要? 絶壁頭矯正で急拡大、ビジネス化も…「病気が見落とされるリスクが」
ここ数年、ちまたで目にする機会が増えた。そう感じている方も多いのではないだろうか。ラグビーやボクシングのヘッドギアのようなものを着けた、生後1年にも満たない乳児の姿。歪(ゆが)んだ頭を治す矯正目的のヘルメットなのだが、果たして本当に必要なのか。
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わが子の頭の形をきれいにしてあげたい――。親が抱く自然な感情である。その願いをかなえるため、目下、40万~60万円と高額な自由診療のヘルメット矯正が流行しているのだ。
「赤ちゃんの頭のかたち外来」で乳児診療を行っているユアクリニックお茶の水の杉原桂院長によれば、
「ヘルメット矯正の始まりは、1992年に米国で乳幼児突然死症候群の予防に、“仰向け寝”が推奨されたことにさかのぼります。当時は乳児の顔が枕に埋もれて窒息死するケースが問題視されていました。その対策で仰向け寝を勧めたところ、突然死は大幅に減少。代わりに斜頭症や短頭症が急増してしまったのです」
“乳児版プチ整形”
後頭部が平らになる、いわゆる“絶壁頭”も増えたのだ。そこで防止策としてヘルメット矯正が米国で誕生し、急速に広まった。一方の日本では、従来から頭の歪みは1歳までには自然に治るという考えが医者の間でも根強かった。ところが2021年、その定説をひっくり返す論文が発表され、流行の引き金となる。
「さらに3Dプリンターの技術が向上し、価格も安く容易にヘルメットのカスタムメイドが可能になったこともあります」(杉原氏)
今や大学病院やクリニックなど数百の医療機関で行われるまでに。ルッキズムの気運が高まったことも後押ししたのか。ブームとなったプチ整形と似ていて、ヘルメット治療は生まれてすぐに始める、いわば“乳児版プチ整形”状態なのだ。
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