「Tシャツが乾くまで」で検索ワード急上昇の「失踪癖」とは? 過去には「人気モノマネタレント」「元プロ野球投手」も行方不明に

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失踪の願望は誰にでもある

――そうなんです。それで自分に失踪癖があることを告白したんです。松山ケンイチ演じる夫・充は両親に愛されずに育てられ、子どもの頃から2~3年に1回のペースで失踪を繰り返してきたと。しかし、結婚してから10年は症状が出ることはなかった。一軒家を購入してから「幸せで息が詰まる」と感じるようになったと言っています。

片田氏:一戸建てを購入するとローンもありますから、プレッシャーもかかるでしょう。そして、子どもの頃から愛してもらっていない人にとっては、安定が負荷になることもあります。自ら幸せになることへの罪悪感を覚え、幸せを壊すのではないかという不安から失踪してしまうという人もいるんです。

――充も「自分自身が欠陥品に思えて辛い」と言っていました。育てられ方が重要ということでしょうか?

片田氏:人間の性格は持って生まれた素因と環境で決まります。たとえ親に失踪癖があったとしても、それを反面教師として堅実な生き方を選ぶ人もいます。ただ、そういう人でも、ある年齢になって失踪することはあり得るものです。すべてをリセットしてやり直したいと思う願望は誰の心の奥底にも潜んでおり、必ずしも病気ではありません。ただ、それを実行してしまうと家族や会社に迷惑がかかるし、自身にとってもマイナスになると現実的に考え、多くの人々は遁走願望を抑圧しているのです。それを我慢できない、プレッシャーに耐えられない脆弱性、ある意味では欲望に忠実な傾向が失踪というかたちで表面化するわけです。

――失踪しないためにはどうすべきなのだろう。

片田氏:失踪を悪と決めつけることはないと思います。耐えきれなくなって自殺してしまうくらいなら、失踪というかたちで逃げ出すのも選択肢の1つです。生きるための防衛戦略とも言えます。ただ、それを危険と感じるようでしたら、自分自身の願望を言語化することが重要です。精神科医やカウンセラーに話を聞いてもらうのもいいでしょう。現在はSNSなどで外に向かって発信することもできます。大切なのは、言語化によって自分が抱えている衝動や願望を整理すること、そして1人で抱え込まないことです。

 果たして、充と咲子はどうなるのだろう――。

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