かつて流血抗争の「山口組」と「住吉会」が恩讐を越え急接近…「稲川会」も動いた料亭での極秘会食

国内 社会

  • ブックマーク

 列島で天変地異や異常気象が頻発する中、裏社会でも、斯界のパワーバランスを揺るがす地殻変動が起きている。ことは、久しく対立関係にあった東西二大組織を巡る「夏の雪解け」という、面妖な様相を呈しており……。

 ***

 極道業界の年中行事は、世間より1カ月以上早く行われた。

 友好団体が盆のあいさつに山口組(司忍組長)を訪れる恒例の儀礼が7月1日から3日間、静岡・愛知県内で行われ、全国から10もの指定団体のトップが業界の盟主的存在である司組長の尊顔を拝した。

 稲川会をはじめ、山口組と縁戚関係にあるなど“深いい仲”の団体の中に交じって、近年、急速に距離を縮めている関東の老舗組織の客人が注目を集めた。

「住吉会(小川修司会長)最高幹部の一行です。この日は上下とも真っ白いスーツに身を包んだ司組長がわざわざ建物から出てきて、帰途に就く一行に声をかけ見送っていたのが印象的でした」(暴力団に詳しいジャーナリスト)

かつては流血の「東京抗争」

 そもそも、山口組と住吉会は、2007~08年に首都・東京の縄張りを巡る流血の「東京抗争」や埼玉抗争を繰り広げるなど、敵対関係にあった。

 ところが、近年は風向きが一変。両者の緊張緩和が進んでいた。

「暴排気運の高まりに業界が一致結束するとの大義から、16年に横浜・中華街の料理店で、司組長、住吉会・関功会長、稲川会・清田次郎会長(いずれも当時)のトップ三人が初めて一堂に会した『東西サミット』が大きな転機となりました。山口組と稲川会、稲川会と住吉会はそれぞれ親戚関係ですから、稲川会が両者の仲を取り持った格好でした」(前出のジャーナリスト)

 住吉会はその後、先代から指名を受けた小川会長が後を継ぐ。23年にも横浜市内で「ビッグ3」の会談が再び実現、三者の連携が一段と進む展開に。

 だが、好事魔多し。晴れて三巨頭の一角に就いたはずの小川会長が、自らの跡目相続の際に、先代の遺族に渡るはずだった金を横取りしたとして、窃盗の疑いで昨年末に逮捕・起訴されてしまう。

 またも、業界中が蜂の巣をつついたような騒ぎとなったのは無理からぬ次第である。寄り合い所帯の住吉会には、山口組との接近を喜ばない勢力もあり、ビッグ3のスクラムにヒビが入らないとも限るまい。

 そこへ、山口組と稲川会が、アシストのボールを蹴り込んだ。

“恩讐”を越えて

 捜査関係者が明かす。

「5月下旬、稲川会トップの内堀和也会長、山口組ナンバー2の竹内照明若頭が都内某所の料亭で極秘に会食したんですが、その席に招かれたのが、当局が住吉会の『次期会長候補』と目している京王会の児島秀樹会長でした。児島氏はさる軽微な容疑で4月に逮捕され保釈されたばかりで、わざわざ他代紋のトップクラスがその放免祝いに駆け付けるとは考えにくい。稲川会、山口組がそろいもそろって、住吉会内の権力の空白を埋める形で、児島氏の昇進を期待していると暗にアピールする狙いではないか、とみられているのです」

 組織内でも山口組寄りとみられている児島氏が仮に会長に就くことになれば、山口組、住吉会の両雄が“恩讐”を越えて、親戚として手を結ぶ将来も見えてくる。

「一枚岩でない住吉会では何事にも決定に時間がかかる」(同)

 とされ、謎めいた会食の深意を巡って斯界の観測は割れている。「夏の雪解け」は進むのか、それとも真夏の夜の夢に終わるのか。

週刊新潮 2026年8月27日号掲載

ワイド特集「変な噂 悪い噂」より

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。